金正日総書記逝去―強盛国家建設に捧げた生涯
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金正日総書記が2011年12月17日午前8時30分、現地指導の途で急病により逝去した。
リーダーとして国家運営のすべてを一身に担い激務を遂行するなか、積み重なった精神的・肉体的過労による、あまりにも突然の逝去であった。
12月17日、朝鮮民主主義人民共和国で発表された「すべての党員と人民軍将兵と人民に告ぐ」のなかで次のように指摘されている。
「社会主義強盛国家建設偉業の遂行で転換的局面が開かれており、われわれの革命が折り重なる難関と試練を乗り越えて上昇の一途をたどっている歴史的な時期に、わが党とわが人民の偉大な指導者である金正日同志が不慮の逝去を遂げたことは、わが党と革命において最大の損失であり、わが人民と全同胞の最大の悲しみである」
1994年7月、金日成主席の逝去後、「苦難の行軍」を踏破し朝鮮を現在の上昇軌道に乗せたのは、
類まれなる金正日総書記の指導によるものである。
月刊イオ2月号は、金正日総書記逝去の特別号として、総書記逝去にともなう朝鮮民主主義人民共和国での
追悼行事と日本での在日同胞たちによる追悼の模様を伝え、国家と民族のために捧げた総書記の生涯と業績を振り返る。
●野戦服のリーダー、心に刻まれた肖像
ルポ/平壌で永訣式、追悼大会 金志永
綿雪が降りしきる中、錦繍山記念宮殿の広場を金正日総書記の棺を乗せた霊柩車がゆっくりと進んだ。12月28日、永訣式の日。広場を埋め尽くした軍服姿の参列者たちも胸を叩き、号泣した。平壌市民が待つ沿道に向かうため、霊柩車が宮殿の正門を出る。その瞬間、参列者の列が崩れた。兵士らは、流れる涙にのどを詰まらせながら叫び、ひたすら車を追いかけた。
●総書記の生涯に思いを馳せ
同胞ら哀悼の意を込め各地で追悼行事
金正日総書記を追悼する催しが昨年12月29日、東京、大阪をはじめとする各地で執り行われた。
参列者たちは総書記の突然の死を悼み、その生涯を振り返りながら、悲痛な気持ちをにじませていた。
●金正日総書記に哀悼の意
各国大使、各層の著名人、朝鮮会館訪れ
12月21、22日の両日、駐日各国大使(または大使代理)や、日本の国会議員、各階各層の著名人が朝鮮会館(東京都千代田区)を訪れ、金正日総書記に弔意を表した。
●国内外の動き
総書記を各国で追慕
金正日総書記の逝去に際し、各国の首脳をはじめ外務省関係者などが当該国駐在大使館を弔問、弔電などを通して哀悼の意を表した。
●金正日総書記、69年の生涯
金正日総書記は、日本の植民地支配時に生を受け、幼年期には米国が引き起こした朝鮮戦争で壊滅的な被害を受けた祖国の惨状を目に焼き付けながら成長した。朝鮮が世界の中で自主的に生きる道を追求し続けた金正日総書記の生涯を年表で整理する。
●金正日総書記、その業績
「苦難の行軍」を克服し民族繁栄への道へ 韓東成●朝鮮大学校教授
金正日総書記は「傑出した思想理論家、希代の政治元老、不世出の先軍統帥者」として「祖国と人民、時代と歴史に永久不滅の革命業績」(「すべての党員と人民軍将兵と人民に告ぐ」)を積み上げた。特筆すべきは「朝鮮革命の最も厳しい試練の時期に、金日成主席の貴い遺産である社会主義を固守し、民族万代の繁栄のための政治的・軍事的・経済的土台を築いた」(新年共同社説)ことであろう。金日成主席逝去後、先軍政治による「苦難の行軍」の克服と、「強盛富興ビジョン」にもとづいた経済再生に焦点を当てて解説を試みたい。
●新時代切り開いた自主路線
祖国統一、対外関係の業績
1996年11月、金正日総書記は朝鮮半島分断の最前線である板門店を訪れた。94年に急逝した主席が最期に決裁したといわれる統一問題関連文書の直筆サインが刻まれた碑石の前でのべた上の言葉には、統一に向けた総書記の強い決意が表れている。
●総聯と在日同胞の偉大な指導者だった金正日総書記 呉圭祥●在日朝鮮人歴史研究所
金正日総書記の生涯は、朝鮮の社会主義革命と建設、祖国の統一実現そして帝国主義の無謀な侵略に反対して世界の真の自主化のためにすべてをささげたといえる。また、その生涯は総聯の偉大な指導者であり在日同胞の幸せと未来のために献身的な指導と配慮を施した一生であった。 金正日総書記が総聯と在日同胞に施した指導と配慮は深淵かつ膨大であり、いくつかの文面で表すことは無理を承知でいくつかに集約して顧みる。
●私の中の金正日総書記
高3の頃、何度も読み返した論文 金龍元
国のトップのあるべき姿 李秀福
●金正日総書記の名言
金正日総書記は、政治、経済のみならず文化芸術など、広範な分野において非凡な才能を発揮し、さまざまな名言を数多く残した。心に残る総書記の名言を紹介する。
●共同社説に見る朝鮮の方向性 文聖姫●朝鮮半島研究者
遺訓前面に政策の継承アピール/生活向上へ経済解決に主力
朝鮮民主主義人民共和国が「強盛国家の大門を開く」とした2012年。昨年末の金正日総書記急逝という事態を経ても、その方針に変わりはない。「労働新聞」「朝鮮人民軍」「青年前衛」の1月1日付共同社説は、今年の闘いを「強盛国家の大門を開くためのもの」と定義した。新年の3紙共同社説から、当面の方向性を探る。