東京朝鮮第3初級学校
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今月のウリハッキョ東京朝鮮第3初級学校 創立:1945年12月8日 |
地域愛、同胞愛、民族愛・・・
伝統受け継ぐ「きょうだい」ハッキョ
2階に上がる階段の横には歴代卒業生たちの集合写真、校長室の前には同校教育会会長と校長の名前がずらり。東京第3の特徴的な風景のひとつだ。写真は8年前、学校創立60周年記念行事をきっかけに展示を始めた。児童の保護者には同校出身者が多い。祖父母、父母、そしてその子どもと、同校で学んだ歴史をまさに3世代にわたって見ることができる。
「伝統を重んじるハッキョ」と言い表すのは、同校の金生華校長。愛族愛国に奮闘してきた同胞たちの伝統を守り発展させていくためにウリマルと学習に特別な力を注いでいる。初級部1年生の授業では、入学2週目にしてほとんどの内容をウリマルで行うなど、生活の中にウリマルがすっかり浸透している。「きょうだい学級」を作りウリマル学習や運動を行ったりと、上級生が下級生の面倒を見、手を取り合って学校生活を送る姿も印象的だ。
また、日本の俳句・作文コンクールや、ウリハッキョ児童・生徒たちによる「コッソンイ」作文コンクールでの入賞、他にも漢字検定の学校特別賞を2007年度から毎年受賞するなど、学習面で築き上げた伝統も輝かしい。特別支援教育も教員たちの努力と児童たちの協力の中でしっかりと行われている。授業にも意欲的に参加する姿が見受けられた。2003年には全国のウリハッキョの中で総合模範学校に授与される「愛族愛国学校」の称号ももらっている。
クラブ活動はサッカー部、バスケットボール部、舞踊部、民族器楽部、現代器楽部、美術部がある。東京都内の朝鮮初級学校の中で民族器楽部があるのは東京第3だけ。また、現代器楽部は昨年の中央芸術大会で金賞と優秀作品を受賞した。サッカー部の練習も活発。なんとあの安英学選手も同校出身で、たまにフラリと立ち寄っては運動場でボールを蹴っているという。
学校行事も特徴的だ。毎年秋には、同校低学年の児童が自分たちのハラボジ・ハルモニを招待して「敬老の会」を開く。児童たちによる歌のプレゼント、ハラボジ・ハルモニの特技披露などに加え、最後に児童たちが一斉に行う「クンジョル」は1番の見もの。毎年この行事を楽しみにする同胞たちが多く、100人以上参加することもあるそう。ここにも、伝統を重んじる東京第3の姿がある。
ハッキョを支える地域同胞たちの力も大きい。年に2回行われるオリニフェスタや、3年に1度同校の運動場で開催される板橋同胞野遊会では、オモニ会が料理や行事の準備で貢献している。また、同校卒業生たちによる愛好会は、新入生に毎年学校ジャージをプレゼントしている。その他、ハッキョのための募金活動やイベントの運営など地域同胞社会とウリハッキョを繋ぐ役割も果たしている。
同校では今年から、準学童保育システム「チェサミ」を始めた。現在は15人ほどの低学年児童が対象となっており、高学年が下校する時間までを受け持っているが、今後は保護者の要求に応えて内容の充実を検討していく予定だという。さらに同校では2年前から「ウリトモあんしんメール」という、玄関に設置されたタブレットにカードをかざすと児童の登・下校時間が自動的に保護者に通知されるシステムを導入し、希望する家庭が利用している。
金校長は「学校は歴史そのもの。これからも第3の特色を生かして伝統を守り、同胞社会の力になれる学校づくりに尽力したい」と話した。