北海道・朱鞠内湖
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<旅編>
朱鞠内湖は雨竜ダム工事によってできた人造湖で、ダム工事現場は、最大級のタコ部屋労働が行われていたところだった。戦争が激化する中、日本人労働者の不足を補うために、朱鞠内でも1940年から朝鮮人が強制連行されてきたという。朱鞠内だけでなく、炭鉱や飛行場、鉄道建設現場など、「北海道のあちこちに強制連行された朝鮮人の骨が埋まっています」と殿平さんは語る。
朱鞠内についた車は、湖の手前で道を右に折れた。
ほどなく「笹の墓標展示館」に到着した。笹の墓標展示館は、光顕寺というお寺の本堂をそのまま使用したもので、名雨線鉄道建設、雨竜ダム建設での強制労働のことを後世に伝えるための施設である。
中は100畳ほどの広さだろうか。ここが展示館になったのは、鉄道・ダム工事で死んだ人たちの遺骨が運び込まれた場所だったからだ。一晩、畳に置かれた遺体は、後で出てくる近くの共同墓地周辺に運ばれて埋葬された。また、日本敗戦後もここに犠牲者の位牌が残されてきた。