京都朝鮮第3初級学校
広告
今月のウリハッキョ
|
風光明媚な環境で学ぶ子どもたち
多くの日本人が学校を支援
大文字山の麓に位置する京都朝鮮第3初級学校は、驚くほど風光明媚な場所にある。訪れたときは、学校の周囲は紅葉に囲まれ見事な景色だった。観光名所の金閣寺もすぐ近くだ。学校は1967年に創立され、現在の場所に移ったのは2年後の1969年のこと。
「左京区や西陣地域には昔から同胞たちがたくさん住んで部落もありました。他の朝鮮学校同様、地域に朝鮮学校がなければという同胞たちの強い思いが学校建設の原動力でした」と姜秀香校長は語る。
同校の特徴は、何といっても日本学校や日本人との交流が盛んで、日常的な「お付き合い」をしていることだ。
鷹峯小学校や楽只小学校など、周辺の日本の小学校とは年間を通して交流会を持っており、お互いが訪問しあって文化公演などを行っている。交流会は、多い学年だと年に10回にもなるという。同校のバザーの時には鷹峯小学校の「おやじの会」がチジムを焼いて販売するのが名物になっているそうだ。
取材した日も、立命館大学大学院の学生が訪れ、子どもたちに英会話を教えていた。毎週行われている特別授業だ。日本人の学生たちはボランティアで教えているが、絵やパワーポイントを駆使し、児童たちが興味を引くよう非常に工夫された授業だった。
経営が困難な朝鮮学校を支援する輪が日本の大学を中心に広がっている。同校を支援するために2004年から同志社大学で行われているフレンドシップコンサートは2010年10月で第5回を数えるようになり、参加者も800人を数える大きな行事に成長した。
同校は、2009年に「ウリマル模範学校」の表彰を受けた。3年計画を立て、発音練習や朝鮮語での発表会などを地道に行ってきた結果で、実際に校内を歩いていると、児童たちが流暢な朝鮮語を使っている。自然な話し言葉を使えるようになることに重点をおいたという。驚いたのは、附属幼稚園の園児たちの朝鮮語の実力で、4歳、5歳の子どもたちが先生の話す朝鮮語を理解し、会話もちゃんとできている。
そして、「ウリマル模範学校」に続き2010年からは、「勉強模範学校」を目指して新たな3年計画に取り組んでいる。「まず、1年目で土台をしっかりと築きたい」と姜校長。学力向上のため毎朝、授業前の10分間に、朝鮮語の発音練習をしたり算数の問題を解いたり、読書をしたりといった取り組みが行われている。
クラブ活動は、サッカー、民族楽器、舞踊が基本の部活としてあり、女子のバスケット部、男子のノレ(歌)部が週に1度行われる。民族楽器と舞踊は朝鮮学校の大会で何度も金賞や優秀作品の表彰を受けているそうだ。同校の特徴として先生方が挙げてくれたのが、児童たちが歌や絵、楽器演奏といった芸術分野に長けているということ。その芸術性が日本学校との交流会ではいかんなく発揮されており、日本の小学校の児童たちの感想文を読むと、京都第3の文化公演を観て感動した様子がたくさん綴られていた。