往復書簡~在日コリアン次の百年へ第1部-vol.1
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在日朝鮮人の歴史的意味を
あらためて問い直す
韓東成 ●朝鮮大学校政治経済学部教授
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鄭栄桓 ●明治学院大学教養教育センター講師
在日朝鮮人は民族受難100年史の所産
韓東成
鄭栄桓様
イオ編集部の企画によって、新進気鋭の若手研究者と「在日朝鮮人の歴史的意味」について議論できることを嬉しく思います。一回目のテーマとして与えられたのは「在日朝鮮人にとって、この『100年』は何だったのか?」です。企画全体のタイトルが「在日コリアン、次の100年へ」ですが、しっかりとした歴史認識に基づいてこそ、現在の問題を本質的に捉え、未来へ向けてその解決方向を見出すことができるという意味で、スタートにふさわしいテーマではないでしょうか。歴史が専門ではありませんが、哲学者の立場からいくつかの視点を提起させていただきます。
在日朝鮮人「100年」史の始まり方
鄭栄桓
韓東成様
お手紙拝受いたしました。「在日朝鮮人にとって、この『100年』は何だったのか?」との問い、私も非常に重要な問いであると考えます。そこで、「在日朝鮮人にとって、この『100年』は何だったのか?」に答える手がかりとして、まず「100年」の始まり方がどのようなものであったのかについて考えてみたいと思います。