排外主義を笑う冷静な「観察者」たち
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Lacoueの備忘録
「在日特権を許さない市民の会」など、「行動する保守」などと自称しているグループについて観察しているブログ。資料的な価値も高い。http://d.hatena.ne.jp/lacoue/
ヲチャという存在
在特会女性部のある参加者の街宣、「これまでの私は自分自身のことでぐだぐだ悩んでおりました。でも、マスコミと民主党の実態をみてこのままでは日本はなくなる…」、まあこの辺りが在特会の本質をついているという印象ですね。http://bit.ly/bYi5Jr
11月23日、私は在特会が作成したとある動画を視聴した感想を、Twitterでこのように述べた。このつぶやきを始めとして、私のTwitterのタイムラインには、在特会らを観察している「ヲチャ」の発言が連日連夜流れている。ヲチャとはウォッチャー(watcher)を意味するネットスラング。インターネット上には、在特会を始めとする排外主義団体をヲチし、その活動を真面目に、時にはユーモアを持って批判する一群の人々が棲息しており、一つのコミュニティを形成している。
このコミュニティに属する人々は実に多様だ。物珍しげに好事家として眺めるだけの者、実際に街宣やデモの現場に赴いて、あるいは裁判傍聴に行って、彼らの言動について詳細な報告を挙げる者、もちろん反排外主義を掲げて行動する市民団体のメンバーもいる。三者三様、それぞれの動機から、在特会ら排外主義団体の言動を日々注視し、その活動の実態について、発言や報告をしている。私もそんなヲチャの一人である。
在特会と「行動する保守」
在特会らの自称「行動する保守」の攻撃対象は実に多様だ。京都朝鮮学校への「襲撃」事件などは氷山の一角であり、メディアでは全く報道しない所で、彼らは行政対象暴力と言う他ない数多くの騒動、特定の新興宗教団体に対する暴力的言論を繰り返しており、中にはそうした反社会的活動に地方自治体の議員が荷担している事例もある。彼らの活動に共通して言えるのは、在日コリアンを始めとして、自らが「異質なもの」と認定したものを、言論の自由を盾にとり、手当たり次第に攻撃することだ。
私が見る限り、彼らの思想は取るに足りず、その行動も支離滅裂なものばかりである。多くの人は、その活動や言論を真面目に取り上げることさえ馬鹿馬鹿しく思うに違いない。実際その通りだ。しかしながら、彼らのデモや街宣には、時には数百人規模で集まり、ニコニコ動画などの動画投稿サイトでも多くの視聴者と支持者を獲得している。
冷静と情熱の間?
このような現状を目の当たりにして、私には何が出来るのだろうかと自問することもある。反在特会、反ヘイトスピーチの活動にも参加しないで、単にネット上で嘲笑しているだけ、そんなあり方に嫌悪感を抱かれる人もいるだろう。実際に彼らの言動に傷ついている人々がいる中で不謹慎だと考える人もいるだろう。その批判は甘んじて受けたいと思う。他方で、彼らの観察を続け、ネット上で批判的な空気を醸成することにも一定の役割があるはずだ。取るに足りない活動と無視を決め込むのでもなく、反排外主義を掲げる運動に積極的に参加するのでもなく、彼らの活動を生ぬるく批判していく、そんな「市民活動」のやり方もあるのだと私は考えている。
イオ編集部より3つの質問Q1:ブログを始められた動機は? A:動画投稿サイトで「在日特権を許さない市民の会」の活動動画を見たことがきっかけです。京都朝鮮学校への襲撃を見て、強い衝撃と憤りを覚えました。そして、彼らを暴力へとかき立てる原動力は何なのかと素朴に疑問に思いました。ブログを始めたのは、彼らを批判するとともに、彼らの動機を理解したいと思ったからです。 Q2:ブログを通して一貫して訴えたいことは? A:在特会を始めとする排外主義団体の活動は、メディアが断片的に報道することはあっても、その全容は意外なほど知られていません。ブログでも書いたように、彼らの活動は日本社会における様々な排外的態度、差別と結びついており、その実態を理解するのに、少しでも役立てられたらと思っています。彼らの「異質なもの」を排除したいという欲求は、誰でも対象になるものであり、その危険性を多くの人と共有したいと思っています。 Q3:お薦めのブログがあれば紹介してください A: 三羽の雀の日記 りゅうオピニオン |