鶴見朝鮮初級学校付属幼稚園
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今月のウリハッキョ
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民族的情緒豊かな子どもたちが育ちます
共働き家庭のサポートも万全
JR鶴見線・鶴見小野駅のすぐそばにある鶴見朝鮮初級学校付属幼稚園(1953年4月開園)は日本初の朝鮮幼稚園として長い歴史を持つ。2006年4月、横浜朝鮮初級学校付属幼稚園と統合され、横浜市で唯一の朝鮮幼稚園になった。
現在の3階建ての校舎は1997年に新築されたものだ。学年ごとの教室、遊戯室、シャワー室、厨房、体育館などの設備が整えられた。
同幼稚園は働くオモニたちが安心して子どもたちを預けることができるように、保育園的な性格を帯びた運営がなされている。日本のこよみに合わせて、朝鮮の祝日も保育を行う。平日は17時半まで子どもを預かり、夏休み・冬休みにも長期間特別保育を実施している。また、通園バスも自宅の玄関前まで送り迎えするなど、共働き家庭をサポートする体制はバッチリだ。
3歳から6歳までの児童17人が通う同幼稚園。「幼児期から民族的情緒が豊かな子どもに育てて、就学前教育の基礎を築くことが教育方針」だと彭秀哲園長(41歳)は話す。
教育はウリマル、社会、健康、自然、歌と遊戯、造形という6つの分野で行われる。ほかに月3回のスイミング教室や、週2回(月・木)の外国人講師による英会話教室などがある。また、保護者も参加しての誕生会、遠足、運動会、歌と踊りの発表会、餅つきなど年間を通じてさまざまな行事が組まれている。園外保育を積極的に行っているのも特徴だ。
基本はやはりウリマル(母国語)教育。入園して1年ほどすれば基本的な日常会話はできるようになるとか。朝は「アンニョンハセヨ!」という元気なあいさつから始まる。にぎやかな園内ではウリマルが常に飛び交う。
取材に訪れた日は、ちょうど「ソルマジモイム」(年越会)の日だった。先生に手伝ってもらいながら色鮮やかな民族衣装に着替えた園児たち。民族の風習も学びながら、みんなで楽しく写真撮影に臨んだ。この日の昼食はピビンパプ。具材の名前や食べ方を詞にした歌を先生のエレクトーンの演奏に合わせて歌う。幼少期に五感を通じて民族の言葉や文化を身につけられるのはウリ幼稚園ならではの光景だといえる。
一方で、児童数を増やすための取り組みの一環として近年、力を入れているのが「体験保育」だ。入園前の児童(2歳)が対象。週に2回実施されており、現在、9人が通っている。
地域同胞社会のサポートも力強い。一口2000円運動を展開し、08年にはバス1台を新たに買い換えた。09年には青商会の支援によって運動場が芝生化された。
同幼稚園の園児数は近年、10人台を推移してきたが、来年度からは久しぶりに20人台に増える見込み。より多くの児童を迎え入れるために一丸となって取り組んだ結果だと彭園長は話す。そして、「目標は30人台まで引き上げること」と抱負を力強く語った。