中大阪朝鮮初級学校
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今月のウリハッキョ
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府内でも歴史ある伝統校
地域同胞社会一丸でサポート
大阪市東成区の中大阪朝鮮初級学校は府下の朝鮮学校の中でも歴史の長い学校のうちの一つ。現在、幼稚班も含めて49人の子どもたちが学んでいる。
同校は1948年1月20日、東成朝鮮学園という校名で産声を上げ、61年4月1日に中大阪朝鮮初中級学校に改名。68年9月2日には地域同胞らの募金などによって現校舎が竣工された。
東成区は府内でも同胞が多く住む地域で、同校児童たちのほとんどが徒歩か自転車で通学している。
06年に中級部がなくなり、児童数は決して多くないが、児童たちは勉強にクラブ活動に全力投球だ。「最も力を入れているのはウリマル教育」と朴浩二校長(49)は話す。
クラブ活動は5つ。男子のサッカー部と女子の舞踊部がメインで、ほかに声楽、バレーボール、バスケット部がある。
サッカー部は06年の在日本朝鮮学生中央サッカー大会で準優勝するなど実績のあるクラブ。昨年は2部だった。女子の舞踊部も08年と09年の近畿地方芸術競演大会の群舞部門で金賞を受賞している。声楽部も有名。近畿地方芸術競演大会では3年前から混声重唱部門で銀賞、金賞、金賞を獲得している。普段は体育系のクラブに所属する男子児童も参加しているのが特徴だ。
取材に訪れた日は恒例の校内マラソン大会の日。子どもたちは寒空の下でも元気いっぱい、表情には常に笑顔が絶えなかった。
地域同胞社会も学校支援に積極的に取り組んでいる。学校運営を財政的にサポートするための一口1000円運動では府下の学校で2番目に多い口数を集めているという。
保護者たちの熱意も高い。09年6月、アボジ会が中心となって運動場に天然芝を植えた。また、アボジ会は児童たちのために1泊2日の校庭キャンプ、フットサル大会などを主催している。オモニ会も、当番制で図書室の運営を担当して子どもたちに本の読み聞かせをしたり、2週に1回、給食を実施するなど、アボジたちに負けていない。
日本学校との交流も盛んだ。北中道小学校(東成区)との相互訪問を3回、城東区の中浜小学校とも5回にわたって交流活動を行っている。アジアの平和と友好を願って行われている「アジア子どもコンサート」にも毎年参加。歌や踊りを披露したり、沖縄やフィリピン、韓国からの参加校児童たちとも交流している。
「児童数を増やして、昔のように賑わう学校にするのが目標」と朴校長。体験保育や学齢前児童を対象にした行事など近年の学校、保護者、地域社会が一丸となった園児・新入生受け入れの取り組みが実を結びつつある。来年度からは児童数が50人台に回復する。また、今後も学校に対する関心を高め、卒業生も含めた地域同胞社会で学校運営の財政的基盤を築くこと、補助金の支給など行政への働きかけを強めることに力を入れていくという。