生野朝鮮初級学校
広告
今月のウリハッキョ
|
同胞密集地域の朝鮮学校
同胞たちの力で創立20周年祝う
20年前に生野区にあった3つの初級学校が一つになり生野朝鮮初級学校が誕生した。今年4月には創立20周年行事を盛大に行った。校舎は同胞建築士が設計したもので、非常にモダン、校舎内のあちらこちらにセットンの色がいかされている。
雨にも関わらず、児童たちが続々と自転車で通学してくる。朝鮮初級学校で自転車通学する姿を初めて見たので驚いた。聞くと、高学年から自転車通学が許されているそうだが、もっと驚いたのは、電車で通う児童が一人もいないということ。日本で一番同胞密集地域にある同校ならではだ。
「今の保護者たちは教育に関心が高い。地域の同胞たちから大きな信頼を受ける学校となるよう、勉強もウリマルも部活動もすべて高い水準で頑張っています」と尹誠進校長(54)は語る。一つの例として、漢字検定試験を受ける学校は多いが、本校も3年生から6年生の全員が必ず試験を受けている。合格率が高く、毎年協会から特別賞を受けているという。教員たちは自由に他の授業を見学してもいいことになっており、お互いに刺激を受けながら、教員がまず授業の質を高めるために努力している。
創立20周年を目指し3年計画でウリマル教育に力を入れ、今年の1月に「ウリマル模範学校」の表彰を受けた。ウリマルによる作文発表会、朗読発表会などを頻繁に持ち、教員、児童、園児たちのウリマルの水準を上げるのはもちろん、学校通信に日常会話のウリマルを学べるコーナーを設け、家庭でも日常的にウリマルを使うようにしているそうだ。
部活動は、男子のサッカーと卓球、女子の朝鮮舞踊とバレー、男女の吹奏楽がある。サッカー部は2008年に初級部のサッカー大会「コマチュック」で見事優勝した。卓球部も東アジアホープスという少年卓球大会に毎年、朝鮮代表として参加している。舞踊や吹奏楽も芸術大会の金賞の常連だ。
附属幼稚園は、初級部の校舎と運動場を挟んで反対側にあり、初級部とは完全に独立した空間で保育ができるようになっている。園児、児童ともに6時まで学童保育を実施しており、共働きの保護者に好評なのだそうだ。
オモニ会、アボジ会の活動も活発だ。オモニ会では年間13回の給食、月1回の交通安全指導会、バザー、ベルマーク集めと様々な活動で学校を支えている。アボジ会では1日労働として学校の美化活動、納涼会、チャリティゴルフなどに取り組んでいる。
創立20周年を迎えるに当たり、校舎の修理工事、駐輪場の拡張工事を行い、新しい通学バス1台を購入、全校児童の机とイスをすべてを新しいものに替えるなど、学区の同胞社会が一丸となって教育環境をより良いものとするため立ち上がった。募金も目標以上に集まったそうだ。「青商会世代が中心になって学校を盛り立て、学校への取り組みが地域の同胞社会を活性化させる重要な場になっている」と尹校長は強調する。