豊橋朝鮮初級学校
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今月のウリハッキョ
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200人でにぎわった運動会!
ハッキョが同胞たちの真ん中に
名古屋からJRと私鉄を乗り継ぎ1時間と少し。柳生橋駅に降り立てば、豊橋朝鮮初級学校が右方に見える。
愛知県と静岡県の県境、海の近くに位置する豊橋朝鮮初級学校は、県下でも長い歴史をもつ。同校は1946年に大崎朝鮮人小学校の名で産声をあげた。1959年、学校名を豊橋朝鮮初中級学校と改め、現在の豊橋市柳生町に移転。1970年には付属幼稚班を併設し、1998年に豊橋朝鮮初級学校となった。
現在、同校に通う児童・園児は13人と少数だが、子どもたちはみな勉強に部活動にと、元気いっぱい学校生活を送っている。教員も含めてひと家族のように仲がいいのが豊橋初級の自慢だと、同校の呉炳佑校長(57)は胸を張る。
「ウリマル」「ウリトンム(友達)」「学習」を大切にすることをが同校のモットー。全国的にも学力が高く、全ての朝鮮学校で実施している統一試験では、近年1位にも輝いた。
部活はサッカー部と舞踊部の二つ。サッカー部は月に1~2回、東春朝鮮初級学校と岐阜朝鮮初中級学校に出向いて合同練習を行い、3校の児童たちがともに汗を流している。
小さな学校ではあるが、児童らにたくさんの経験をさせたいと奮闘する同校の教員たち。月に1度刊行する学校新聞は保護者のみならず、地域の日本人にも配布し学校の存在をアピールしている。校内には児童らの工作作品や絵画、作文が所狭しと掲げられ、学校を活気づけようとする思いがあふれていた。
6年生がいない同校では、5年生が子どもたちのリーダーだ。教室の黒板に、「今月の目標~忙しくても上級生らしく、下級生を引っ張っていこう!」と書かれてあったのが印象的だった。「お昼ごはん食べましたか?」と記者を気遣ってくれるほど、しっかり者。
同校で10年間、通学バスを運転する中山久雄さんも、「いつもみんな仲良く楽しそうにしている。こんなふうに小さな子どもたちが助け合う姿は、ほかではあまり見ることができない」と、子どもたちとの道中をあたたかい気持ちで過ごしている。
また、保護者や地域同胞たちの熱意が高いのも同校の特徴。月に1度のキムチ販売や、子どもたちのための「スマイル基金」は、学校運営を支える大切な柱となっている。そして同校の名物ともいえるのが「ハルモニ給食」。「オモニ給食」のほかに、地域のハルモニたちが年に2度、学校に集い、ピビンパやクッパなどの朝鮮料理の腕をふるう。
多くの地域同胞たちの愛情が注がれている同校。保護者と教職員が一丸となって準備を進め、迎えた9月25日の運動会には、保護者や家族のみならず、子どもたちを一目見ようと地域全体から同胞たちが駆けつけ、約200人でにぎわった。
「より多くの児童・園児を受け入れるための働きかけはもちろん、地域に根ざした学校をめざしていきたい。豊橋ハッキョが、いつでも同胞たちが笑顔で集まる場所でありたい」(呉校長)。