往復書簡2012~第1部―vol.1
広告
往復書簡2012~第1部―vol.1
継続する植民地主義と分断に抗う
~在日朝鮮人とパレスチナ
岡真理 ●京都大学大学院人間・環境学研究科教授
×
李英哲 ●朝鮮大学校外国語学部准教授
未完の脱植民地主義とナショナル・ヒストリー
岡真理李英哲さんへ
世紀を迎えて尚、私たちの生を規定してやまぬ植民地主義の問題を、パレスチナと東アジアという二つの極から再考するという編集部の企画により、李先生と書簡を交わす機会を頂戴しました。
反植民地主義の連帯、同盟の可能性は?
李英哲
岡真理さんへ
お便りありがとうございます。こうして岡先生と手紙を交わせることを嬉しく思います。イスラエルと日本、岡さんが繰り返し発してこられた「歴史的否認の同盟」の問題として再び提起していただきました。アジアの両端に位置する二つの国が、まるで合わせ鏡のように互いの似姿を幾重にも反射し合いながら今日の植民地主義を増幅させていることに、激しい眩暈を覚えます。