後退する日本の教科書~中学校歴史教科書はいま~
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日本の学校で使用されている歴史の教科書が、
ここ10年ほどで大きく後退している。日本の侵略戦争の歴史を偽り、
誤った歴史認識を、学ぶ子どもたちに与えかねない教科書が
少しずつ増えてきているのだ。歴史教科書をめぐる現状とその背景に迫る。
「従軍慰安婦」という言葉が、今やどの教科書からも消えてしまったことを知る人は多いだろう。2000年代に入ってから、日本の侵略戦争の加害の歴史を認める歴史観を「自虐史観」だと否定し、「戦争は正しかった」という主張を根底にして、歴史をわい曲する教科書が増えている。このような教科書を増やすため先頭に立ってきたのは、「新しい歴史教科書をつくる会(=つくる会、1997年結成)」という団体や、自民党議員たちだ。「つくる会」は2006年に「仲間割れ」した後、自由社から、そして分裂して出来た日本教育再生機構=「教科書改善の会」が育鵬社(扶桑社の子会社)から教科書を発行するようになった経緯がある。