「高校無償化」排外主義とのたたかいの先に(中)
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子どものため、絶対にあきらめられない
2010年度につづき、11年度も朝鮮高校に「無償化」が適用されないまま、新学年度が始まった。適用を求める運動が日本全国で果敢につづけられているが、日本政府は「審査中」と主張するばかりで、結論の見通しは見えない。前回につづきこの問題に関わる人びとの思いを伝える。今回は東京、大阪、兵庫で、子どもを朝鮮学校へ送る保護者たちに話を聞いた。
「これ以上なにを言えば、なにをすればいいんですか? 教えてください」。突きつけられた問いに一瞬言葉を失った。
神戸市長田区の黄眞姫さん(46)の長男はこの春、神戸朝鮮高級学校を卒業した。中井洽元拉致問題担当大臣による朝鮮学校除外の要請を受け、突如として現れた「高校無償化」問題。黄さんは2009年度末の当時を、「すぐに適用されるだろうと事態をあまく見ていた」と振り返った。