愛知朝鮮中高級学校
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今月のウリハッキョ
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充実したカリキュラムで
生徒たちの知的向上心をアップ!
名古屋市のベッドタウンとして開発が進む豊明市、愛知朝鮮中高級学校は坂道を上がった高台に位置する。陽光がまんべんなく降り注ぎ、校舎を明るく照らす。
中部地方唯一の朝鮮中高級学校とあって、県をまたいで広域から生徒たちが集まる同校。中には三重県四日市市や静岡県浜松市から約2時間半かけて通う生徒たちもいる。同校の兪成樹教務部長は、「個性豊かな生徒と教職員たち。互いに距離が近くアットホームなのが学校の自慢です」と話す。
同校の特徴はまず、朝鮮語を基本とした日本語、英語のトライリンガル教育と、高い科学知識の涵養を両輪としたカリキュラムだ。生徒たちの豊かな民族性とともに、国際社会の多様なニーズに対応できる能力を育んでいる。
高級部2年からは、週8時間を文系・理系科目を選択してクラスを編成し、世界史、物理、科学、生物、英会話、音楽、簿記、情報処理と、多彩な選択科目を自由に選べる。同校では特に理系に力を入れており、昨年度から始まった数学強化合宿は、希望者を対象に月に1度のペースで続けられている。生徒らの学習意欲が高く、合宿では夜の11時まで勉強に没頭するそうだ。ほかにも語学検定をはじめ、パソコン検定やホームヘルパーなど各種検定試験の実施、さまざまな科目の実力テストを毎週行うなど、生徒たちの幅広い学力の向上に地道に取り組んでいる。
クラブ活動も運動・芸術とさまざまある。生徒と保護者の要望に答え、今年度からは中級部にラグビー部を新設。部員はまだ3人しかいないため練習は高級部と合同で行い、朝鮮闘球団メンバーやOBらに協力を得ながら、地域ぐるみで選手の育成に励んでいる。
同校には愛知県外からの生徒たちのための寄宿舎もある。寄宿舎生は現在14人で家族のように仲むつまじいという。放課後には舎監の教員も含めて全員でスポーツやゲームをするなど、楽しく共同生活を送っている。
地域の日本学校や外国人学校との交流も盛ん。行事への相互出演・参加はもちろん、互いの学校を行き来し討論会を行うなど、生徒間のコミュニケーションも積極的に図っているそうだ。また、2010年には「朝鮮高校にも差別なく無償化適用を求めるネットワーク愛知」が結成され、日本市民による支援の輪も広がりを見せている。
取材に訪れた日は、同校と四日市中央工業高等学校のサッカー部の練習試合が行われていた。生徒、教職員らはこぞって応援。昨年の全国高校サッカー選手権大会で準優勝を果たした強豪チームを4―0で制し、校庭には大歓声が響いた。
同校は来年、学校創立65周年を迎える。より多くの人に学校を知ってもらう目的で、ホームページをはじめ、教職員らによるブログや各種ソーシャルメディアなどの新たなツールも取り入れている。
同校の呉炳佑校長は、「未来の同胞社会と日本社会を担う生徒たちを、大切に育てていきたい」と話す。