千葉朝鮮初中級学校
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千葉朝鮮初中級学校
今月のウリハッキョ千葉朝鮮初中級学校 創立:1946年9月13日 |
校内はパステルカラーに衣替え
地域が育てる千葉ハッキョ
空色にクリーム色、エメラルドグリーン。色鮮やかなパステルカラーに塗り替えられた校内は、窓から差し込む光に照らされいっそう明るい。
1979年に竣工された現校舎。学校施設の老朽化が進むなか、今年8月、千葉地域朝鮮商工会が中心となって、廊下や壁、階段など校内の全面的な塗り替え作業や一部設備を新調するなど、1ヵ月にわたって補修・修繕作業を行い、学校は見違えるように生まれ変わった。
廊下にこだまする初級部1年生の元気な声に誘われ教室へ。今年度の1年生は14人と全学年でもっとも多く、「わんぱく揃い」と担任の林明愛先生(25)。国語の時間、明愛先生が質問すると、「イェ!」と全員が大きく手を挙げた。
同校では、語学を中心とした基礎学力の向上に力を入れており、ネイティブスピーカーによる英会話の授業は週1回、初級部1年生から導入されている。
クラブ活動も盛んで、初級部低学年からサッカー、バスケットボール、朝鮮舞踊を習う。高学年はスポーツと芸術の2つのクラブを掛け持ち、基礎体力と表現力、創造力を養っている。現代器楽部は今年度、芸術競演大会で金賞に輝き、運動部も近年大会などで好成績を収めるなど、地道な取り組みが実を結び始めているという。
同校の自慢は、初中級部としては珍しい食堂があること。土曜日を除いて毎日給食がまかなわれており、おかわりも自由。この日のメニューは人気のカレーライスで、多くの児童・生徒たちがおかわりしていた。厨房を切り盛りするのは金和江さん(84)。千葉初中で子どもたちのおいしい笑顔を守り続けてなんと、約50年というから仰天だ。
ごはんを早々に終えた子どもたちが向かう先は図書室。商工会が毎年欠かさずプレゼントしてくれる新しい本を、子どもたちは心待ちにしているという。
地域の惜しみない愛情に支えられる同校。商工会をはじめ地域同胞青年や卒業生、長年バザーやベルマーク集めなど、地道に取り組むオモニ会に、ユニークに活動する地域青商会。「子どもたちに多様な学びを」との思いから青商会が主催する「ウリミレ課外授業」では、今年は鉄板焼き屋を営む地域同胞を講師に招き、料理の実技を行った。また、「千葉朝鮮学園を支える会」との交流は15年に及び、初めての試みとして今年9月に行われた日本人教師による特別授業は、生徒たちに好評だったという。
学齢前の子どもたちが集う「ヒャンア」教室は、今年で8年目。「子どものためなら妥協なし」と、情熱あふれるスタッフたちが、オリジナルの教材で子どもたちに「民族の心」を授けている。千葉県でも日本人や韓国から来日した人と結婚する同胞が増えており、「ヒャンア」は幅広い同胞たちを受け入れる学校への入り口となっている。
朴賢洙教務主任(31)は、「千葉県に一つしかないウリハッキョだからこそ、子どもたちには学校に対する誇りを持ち、学校を守ってきた同胞たちの思いを継いでもらいたい」と話す。