バブル崩壊から「失われた20年」へ
広告
康明逸●朝鮮大学校経営学部助教
2歳になろうとする息子の将来のために学資保険を探していた。驚くことにいくつかの商品は「返礼率」(払込総額の将来の支給総額に対する比率)が110%以上。20年ほどで元本が約1割以上も増え、生命保険まで付いてくるのだ。年利換算するとおよそ1.25%。超低金利時代、預金するよりはだいぶ得だと思いながらも、ふと金利や物価動向に対する不安が頭をよぎった。学資保険は、保険会社の倒産リスクや契約者の死亡リスクを除いた貯蓄性だけで考えると、加入時点で将来の受取額が決まる固定金利型商品、物価変動が生じても支給額が変化しない非「物価スライド」型の貯蓄商品であるから、将来の物価や金利の上昇により受取額の実質価値がいくらでも目減りしてしまうリスクを抱えてしまうのである。子供の学費は20年以上の長期の資産形成と関わる問題。未来予測とまではいかなくとも、現在の経済状況に対する若干の知識ぐらいは持っていたほうが良さそうだ。