南大阪朝鮮初級学校
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南大阪朝鮮初級学校
今月のウリハッキョ南大阪朝鮮初級学校 創立:2010年4月1日 |
地域同胞社会、
日本人の支援の中で愛校心育む
南大阪朝鮮初級学校は、泉州朝鮮初級学校と西大阪朝鮮初級学校が統合して2010年にできた新しい学校だ。解放後に南大阪地域にいくつか作られた朝鮮学校が統合をしていく中で現在の南大阪初級となっている。「この学校には南大阪地域にあった他の朝鮮学校の歴史、同胞たちの民族教育に対する思いが詰まっています」と孫大元校長(50)は語る。したがって、子どもたちは広い地域から通っており、4台のスクールバスが走る。本校の特徴の一つが、園児・低学年だけでなく、高学年もスクールバスで大阪市、泉州、堺市の各地から登下校することだ。バスも教員が運転するのではなく、4台とも専門の運転手がいる。
同胞たちの学校に対する思いは、年間を通しての様々な行事、支援活動に凝縮されている。また、「南大阪朝鮮初級学校アプロハムケ」という日本人と朝鮮人による支援団体が05年より結成されており、強力なバックアップ体制が整えられている。「年間を通して毎月のように支援と交流を深めるための行事が行われています」と孫校長。球技大会、公開授業、アボジサッカー大会、南大阪カウルマダン、チャリティゴルフ…。7、8月の納涼祭は同校だけでなく、今も残る泉州初級、堺朝鮮初級学校の場所でも行われている。10月に堺市で行われるインターナショナルピープルカーニバルは堺初級でのバザーから始まった多文化共生のためのイベントだ。ちなみに、泉州初級、堺初級は現在、同校の施設として利用されている。
オモニ会では日常的にキムチ販売を手がけ行事のたびに売店を準備する。スクールバスの1台はキムチ販売の売り上げで購入したものだ。アボジ会も部活の指導や行事の準備に汗を流す。アプロハムケでは今年から月1回の給食を提供している。孫校長は「西大阪、泉州、堺の各学校での支援の取り組みがそのまま引き継がれています」と強調する。保護者や地域同胞、日本人のこのような愛情と具体的な支援活動の中で、日々の学校生活の中で子どもたちは愛校精神を育んでいる。
同校の先生はベテランが多い。授業を見学させてもらうと授業の進め方が巧みで児童たちの集中力が高いのがわかる。社会見学、コンピュータや英語学習、水泳教室、スキー、スケートと取り組みも様々だ。面白いのが高学年の体験学習で、帆船でのセイリング、保津川でのラフティング、イルカとの触れ合いなどを行っている。
部活も活発で、第1部活として女子のカヤグム、舞踊、男子のサッカー、第2部活として女子のバレーボール、男子の重唱がある。カヤグム部は今年の近畿での在日本朝鮮学生芸術競演大会で独奏、併奏で金賞、男声重唱も金賞に輝いた。 同校は大阪朝鮮学園内で一輪車を学校教育の中に取り入れた初めての学校だそうで、児童みんなが低学年のころから一輪車に親しんでいる。年に1度、大阪、和歌山の朝鮮学校児童が集まり同校で一輪車大会が開かれている。