せめて晩年は穏やかに
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エルファを写した11年の日々
コーヒーで一服するか―。写真処理に疲れたカメラマンがカフェの扉を開けると「いやあ、いいところに来てくれたわ」。
ここは京都市南区にあるデイサービス「エルファ・ハナマダン東九条」。はてさて、今日はどんな写真を撮らされるのやら。
職員の声に促されて2階に上がると、誕生日会が賑やかに開かれていた。チャンゴの響きにのってハルモニ、ハラボジたちが笑顔で体を揺らしている。ああまた今日も100枚以上…。
中山和弘(なかやま・かずひろ)
数学を志すインテリからカメラマンに転落して約25年。友人を通して京都・東九条を知り、在日コリアンを被写体とするようになった。普段は多様な取材に走り回るが、今ではエルファの皆にこき使われ「人生ボロボロ」。「そろそろタイムカードを用意しますね」とエルファ事務局長。中山の独白(給料くれるってこと?) 写真・金由美