不況期に若者と中高年は何を思うのか-年齢効果と置換効果の超克の中で
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康明逸●朝鮮大学校経営学部助教
3月から4月にかけては労働市場での人的資源の再配置が最も盛んな時期である。筆者の職場でも少なくない同僚が定年、転職、結婚などを契機に職場を離れ、新しい人生の旅立ちをした。今回は前号に続き、労働市場にまつわる話をしようと思う。 若年世代の雇用は、ただ単に当該世代の所得を生み出し生存の原資を与えるのみでなく、将来生産の中心的担い手を育てるという意味で、非常に重要な意味を持つ。若年雇用については1990年代以降、学力や能力格差に起因する経済格差の存在や、高い失業率水準が注目されている。また、若年就業者の高い失業確率や離職率も指摘されている。実際、若い世代の高失業率の多くの部分は、「世代効果」に起因する高い離職率で説明できるとも言われている。「世代効果」とは、不況期に新規採用が減少することによって、たまたまその時期に卒業を迎える「世代」の職業選択の範囲が狭まり、求める仕事に就ける確率が低くなる結果、就職後の離職率を引き上げるというものである。逆に、好況期の新卒世代は、自分の望む仕事に遭遇する確率が高まるため、将来仕事を辞める確率が低くなり定着率が高くなる。つまり、就職時の景気動向によって生じる雇用のミスマッチングが、不況期新卒者の離職率を必然的に高めるというものである。