冬来たりなば春遠からじ-雇用統計から見る同胞社会
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康明逸●朝鮮大学校経営学部助教
新しい出会いやまばゆい決意がやにわに社会を活気付ける季節であるが、雇用情勢は依然として厳しい。2010年度の国勢調査から明らかにされた日本の完全失業率は6.4%、若年層である15~19歳と20~24歳ではそれぞれ18.8%と9.9%にものぼった。働く意思のある20歳未満の10人に2人、20代前半では10人に1人が定職につけていないのだ。この数値は「全く働いていない」人たちの比率であるため、アルバイトのような非正規雇用も含めるとその値はさらに高くなる。4月の春和景明を横目に、社会人としてのスタートラインにすら立てない当事者たちはもちろんのこと、多くの苦労の末に子供たちを育て上げた保護者の方々の忸怩たる心中は察するに忍びない。