神戸朝鮮高級学校
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今月のウリハッキョ
神戸朝鮮高級学校 創立:1949年4月18日 |
兵庫の民族教育の伝統受け継ぎ、
新しい伝統を作る
取材で訪れた日は6月1日に迎える神戸朝高祭の準備をする姿が校内のあちこちで見られた。今年の朝高祭のテーマは「이어(繋ぐ)」。兵庫の同胞たちが築き上げてきた民族教育の灯を受け継ぎさらに発展させようという思いを込めた。
4・24教育闘争の中心となった兵庫県は民族教育に対する同胞たちの自負心が強い。「兵庫県における民族教育の最高学府とも言える本校に対する同胞たちの関心と期待は大きいものがあります。神戸朝高の連合同窓会は長い歴史があり、2年前には再構築されました。卒業生のネットワークが強化され、母校に対する支援活動を積極的に行っています」と黄成鶴校長(56)は語る。そして、「いかに同胞社会、そして世界で活躍する人材を育成するのかが本校の使命だと思っています」と強調する。実際に、神戸朝高卒業生は多種多彩、様々な分野で活躍する人たちが多い。兵庫各地の同胞社会はもちろん、スポーツ界や芸術分野、法曹界、科学分野などに多くの人材を輩出している。生徒たちの学力向上はもちろん、総合的な「人間の力」を高めようという同校の方針が花開いていると言える。
「学力だけでなく、部活動や社会活動、生徒たちの自主的な取り組みなど、総合的な場で生徒たちは学んでいます」と黄校長。例えば、兵庫県にある同胞高齢者施設であるイオ神戸やアリラン阪神を慰問しプレゼントを渡すと共に、先代たちの話を聞いて同胞たちがいかに歩んできたのかを学んでいる。また、学校周辺の美化事業にも積極的に取り組み、垂水区善行青少年賞を2度受賞している。日本のフェスティバルなど様々な集まりに参加し、朝鮮舞踊や歌を披露するなど、民族教育の存在をアピールもしている。
3年の姜志享くんは、「年間の目標を定め生徒たち自身が運動を進めます。夏休みに出身の初級学校の夏季学校や日校生のためのサマースクールに参加したりといった活動を行っています。すべての生徒たちが積極的に参加し団結が強いのが自慢です」と話す。3年の魯莉野さんも「高校無償化問題では街頭に出てアピールするなど、私たち朝高生が先頭に立とうという気持ちで闘っています」と語る。
部活動も活発だ。スポーツクラブは男子のサッカー、ラグビー、ボクシング、男女の空手、バスケット、女子のバレーボール、文化クラブは男女の吹奏楽、美術、女子の声楽、舞踊。ボクシング部は毎年のようにインターハイに出場しており、バレー部も2年前に全国私立高校大会に出場した。吹奏楽部は22年連続で在日朝鮮学生中央芸術競演大会で金賞を受賞、舞踊部も6年連続群舞部門で金賞を受賞した。美術部は、在日朝鮮学生美術展覧会最優秀クラブ賞を28年連続で受賞し続けている。
連合同窓会と共に学校への支援活動を活発に行っているのがオモニ会だ。オモニ会は正式名称を「神戸朝高を愛するオモニ会」という。すべての教室の冷房機や休憩所の屋根を設置したりと大きな貢献をしてきた。オモニ会が準備する卒業式前日の祝賀弁当は伝統になっているとのこと。
「民族教育に対する同胞たちの期待に応え、伝統を引き継ぎながらも、新しい伝統を作るために努力したい」と黄校長は意欲的だ。