私は朝鮮半島で暮らしてみたいのです
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朝鮮語を勉強しています。と、この連載で書くのは三度目なのですが、今度こそ、日常会話に不自由しなくなるまで勉強を続けられそうです。 六月二十二日の誕生日に四十五歳になり、自分の残り時間を考えてみました。残り時間というのは、生きられる時間ではなく、創作に打ち込める時間のことです。十年後、五十五歳になっている自分は、今と変わらず書くことと格闘している、と想像できます。でも、その十年後の六十五歳の自分は――、どんな生を歩んでいるのか、それまでの生の続きのようには想像できないのです。
リュウ・ミリ●作家
1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。