東京朝鮮中高級学校
広告
今月のウリハッキョ
東京朝鮮中高級学校 創立:1946年10月5日 |
初の中等教育学校の誇り高く
めざすは学校創立100周年!
1946年10月5日、在日朝鮮人の民族教育史における初の中等教育学校として産声を上げた東京朝鮮中高級学校。1948年には高等部が併設され、創立から67年、同校は一貫して民族教育の中心的学校としてその年輪を刻んできた。卒業生の総数は2万人を超える。
豊かな民族性、知・徳・体を兼ね備えた人材、祖国と民族、同胞社会の発展のために寄与し、日本や国際社会で活躍できる人材の育成をめざす同校。「ウリマル・あいさつ・掃除」の3つの柱を中心に据えており、近年、とりわけウリマル教育には一層の力を入れている。週に一度の生徒自ら計画する学習に、語学行事では発音・対話訓練など、形式も多彩に取り組まれている。同校を訪れたのは9月。10月の大運動会を目前に控え、生徒らのウリマルは一段と活気を帯びているようだった。
基礎学力の向上にも力を入れており、教員たちの教授能力向上の一環として昨年から、授業の内容、学習目標、計画などの情報を盛り込んだシラバスを作成、保護者にも公開している。
また同校では、高級部2年から文系、理数・商業情報系に分かれてクラスを編成し、生徒らの知的探究心を育む独自の選択授業を受けられる。英語、中国語はネイティブスピーカーによる指導のもとで生きた言語に触れ、各種検定や資格試験での合格者も少なくない。選択授業は他に、国語(朝鮮語)、日本語、音楽、美術、書芸などがある。
クラブ活動も運動部はサッカー、ラグビー、ボクシング、バスケットボール、バレーボール、卓球、陸上、空手、テコンドー、新体操と多彩。文化芸術部は、朝鮮舞踊、合唱、吹奏楽、民族管弦楽、美術、口演とあり、学術クラブとして数学部も設けられている。中級部には09年にラグビー部が、11年には新体操部が新設され、高級部との合同練習が日常的に行われている。各クラブの保護者会やOB会による物心両面のサポートも同校の特長だ。
生徒会の活動も活発で、朝鮮半島や同胞社会を取り巻く情勢、権利問題、歴史など幅広いテーマの学習会を定期的に行っており、中でも「高校無償化」適用を求める3年間のたたかいでは常に高級部3年生が先頭に立ち続け、その伝統は後輩たちに受け継がれている。
01年から毎年行われている文化祭は同胞はじめ近隣住民に好評を博しており、とくに帝京高校と共同で行うシンポジウムは、朝・日の生徒らが議論し、共生社会をともに考える貴重な場となっている。
高級部3年の李祥庸さんは、「先輩後輩分け隔てなく仲が良くて、出席率が高いこと」が同校の自慢だと自負する。各クラスの黒板に貼りだされた高い連続登校記録が、学校生活の充実ぶりをよく表していた。李さんは、「全校生徒が心を合わせて、よりよい学校を作っていきたい」と話してくれた。
昨年4月には、震災により被害を受けた体育館が幅広い同胞、卒業生らの支援によって新しく生まれ変わった。愼吉雄校長(64)は、「祖国と同胞たちの並ならぬ愛情が注がれてきたわが校。全国のウリハッキョと手を携えて民族教育を発展させていきたい」と、学校創立100周年を見据えた目標を語ってくれた。