「遅いが、まだ遅すぎない」
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もし、我が子が他人の子(Aくん)をイジメて怪我を負わせたとしたら、保護者はどんな対応をすべきでしょうか。
まず我が子やAくんや学校関係者や他の生徒から事情を聞く。我が子が「みんながイジメてたから、僕もやったんだ。なんで僕だけが責められるのかわからない」などと言ったら、「あなたがイジメたかどうかが問題だ。あなたは自分のしたことに責任をとらなければならない。みんなもやっていたと責任逃れをしようとするのは卑怯だ。AくんとAくんのご家族に謝りに行かなければならない。謝ってもイジメたという事実、Aくんの心と体、Aくんのご家族の心を傷つけたという事実は消えない。許してもらおうなんて虫がいいことを考えてはいけない。謝って、Aくんとご家族のお話を聞く。そして、どのような償いをすればよいのかを考えるしかない」と話し、Aくんのお宅に電話を掛けて謝罪し、今から息子と二人でお宅に伺わせてくださいとお願いする――。
リュウ・ミリ●作家
1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。