書き初めで「志遠」を書きました
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今年の元日は、家族で書き初めをしました。
一緒に暮らしている村上くんは「朝鮮」、息子は「実行」、わたしは金日成主席の父である金亨稷氏の座右の銘である「志遠」を書きました。
わたしは常々、国の指導者となる人物に最も必要なのは、百年後、二百年後に自分たちの子孫が生きる社会の在るべき姿を展望し、素描する力なのではないかと考えていました。
もちろん、「在るべき姿」を描き、多くの賛同を得たとしても、そこに至るまでの道程は非常に遠く険しい――、躓くことも度々あるでしょうし、志半ばにして斃れる可能性が高いでしょう。けれど、そこに志が残る限り、その志を継いで「在るべき姿」を実現すべく歩を進める「同志」が必ず現れるはずです。
リュウ・ミリ●作家
1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。