福島朝鮮初中級学校を訪れました
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いつか、訪れたいと思っていた福島朝鮮初中級学校に訪れることができました。
三月十日から十七日まで、わたしは臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」のレギュラー番組「ふたりとひとり」の収録を行うために、福島県南相馬市に滞在していました。
十七日の朝七時五分に、南相馬市役所前から高速バスに乗って福島駅に到着し、福島駅から別の高速バスに乗って郡山に到着し、水郡線に乗って二駅目の磐城守山駅に到着したのは、十二時十分のことでした。
駅からは携帯電話の地図アプリで道を検索しながら歩いたのですが、二十分を過ぎて人家が疎らになり、もしかしたら道を間違えたのかもしれない、と来た道を振り返りつつ坂道を上ると、左側の谷間に敷地面積九千坪を有する福島朝鮮初中級学校の校舎と校庭が見えました。
校門を潜って、スロープを降りながら、わたしは左側にブルーシートで覆われた小山があるのを目にしました。
リュウ・ミリ●作家
1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。