一輪挿しに花を活けて祈りました
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小説家の李浩哲さんに、ソウルで再会しました。
李浩哲さんは、一九三二年に咸鏡南道元山で生まれ、十八歳で人民軍に入り、一年後に連合軍に捕らえられ南に強制連行されて、元山の家族と生き別れになった、という過去を持つ小説家です。
二〇一二年九月に慶尚南道慶州で行われた「国際ペンクラブ大会」に共に招待され、毎朝ふたりで散歩をしたことによって親しくなったのです。
今回、わたしが韓国に行ったのは、DMZ(非武装地帯)のシンポジウムに参加するためでした。
リュウ・ミリ●作家
1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。