始まりのウリハッキョ編vol.06 区役所の一角で上がった産声~東京朝鮮第9初級学校
広告
東京・阿佐ヶ谷の閑静な住宅街の中にたたずむ東京朝鮮第9初級学校。来年、創立70周年を迎える同校のルーツは1946年3月に開校した杉並初等学院にさかのぼる。
1世が語る草創期
45年8月の日本敗戦と祖国解放後、現在の東京第9初級の学区である杉並区や中野区内にも在日朝鮮人の手によって同胞子女たちのための国語講習所がいくつか設立された。
その後、杉並ではこれらの講習所を一つにまとめ、46年3月5日、当時の杉並区役所分室(阿佐ヶ谷南)に朝連(在日本朝鮮人連盟)杉並初等学院が設立される。現在の東京第9初級とは阿佐ヶ谷駅を挟んだ逆側に位置していた。3月5日は同校の創立記念日に定められている。2006年に発行された学校創立60周年記念誌によると、設立当時の児童数は36人、教員3人、教室は2つだった。