【特集】どうする朝・日関係
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日本と朝鮮は一番近い隣国だ。しかしながら、北半分の朝鮮民主主義人民共和国とは、70年もの間、国交が結ばれず、植民地支配の結果、在日することになったコリアンへの人権侵害が続く。なぜ現状が改善されないのか。糸口はないのか。両国の関係を根本から考えてみたい。
日本と朝鮮、課題は何か―70年の国交断絶を前に
和田春樹●東京大学名誉教授、日朝国交促進国民協会事務局長
本年は一九四五年八月一五日、日本の敗戦から七〇年にあたる。ということは日本の植民地支配からの朝鮮の解放から七〇年が経過したということである。そして、解放された朝鮮に生まれた二つの国家のうち、北半部を統治する朝鮮民主主義人民共和国とは国交も樹立されず、過去の清算はおこなわれないままになっているのである。南半部を統治する大韓民国とは国交樹立五〇年が経過したが、今日「慰安婦」問題の解決をめぐって、関係が極度に緊張していることも覆いがたい現実である。敗戦七〇年、日本は朝鮮植民地支配の清算という課題のまえになお立ち続けているのだ。
人権蹂躙、生活へのダメージ
日本による「制裁」がもたらすもの
日本による朝鮮への独自の「制裁措置」は、現在9年間続けられており、今年さらに2年延長された。
「制裁」の内容や経緯、それが在日朝鮮人にどのような深刻な影響を与えているのかなどを改めて見てみる。
Interview 自由に行き来を―①
太西るみ子●北遺族連絡会事務局長
朝鮮は誠実に調査してくれています
Interview 自由に行き来を―②
芦沢一明●渋谷区議会議員、日朝友好促進東京議員連絡会代表
今こそ政治が役割果たすとき
Interview 自由に行き来を―③
さとう大(36)●日朝友好京都ネット
東アジアの平和を生活の現場から
Interview 自由に行き来を―④
ファンキー末吉●ミュージシャン
「6・9」のみんなと日本でロックを!
植民地主義の克服、生存権回復のプロセス
在日朝鮮人にとって朝・日関係改善とは
文泰勝●朝鮮大学校政治経済学部助教
在日朝鮮人にとって朝・日関係の改善が持つ意味とは何であろうか。本稿では、「不正常な朝・日関係」が在日朝鮮人にとってどのような影響をもたらしてきたのかについて、現在の日本社会の状況との関連から論じてみたいと思う。