【特集】朝鮮 花物語
広告
朝鮮半島は南北に長く自然が豊かなことからたくさんの植物が存在します。高等植物だけでも3860種にものぼると言います。朝鮮が古くから錦繍江山と呼ばれたのも、山や野に樹木がうっそうと生い茂り百花繚乱していたから。
人々の生活にとって、花や樹木は欠かせないものです。今月号では、朝鮮半島の植物分布の特徴や種類などについて解説するとともに、朝鮮民族にとって花や樹木がどのような存在なのかを、さまざまなエピソードで紹介します。
多様で豊富な朝鮮半島の植物
自然環境と歴史が育んだ植物たち
司空 俊●地理学博士
朝鮮半島は南北に長く自然が豊かなことから古くからたくさんの植物が分布してきた。
朝鮮半島にはどのような植物が、どのように分布しているのか、どのようにして豊かな種類の植物が分布するようになったのかを解説する。
朝鮮半島 植物なんでもQ&A
自然と文化はいつの時代も隣り合わせ。朝鮮では、植物がどのように人々の生活に根を下ろしたのでしょう。国花の由来や、北と南での名称の違い、朝鮮のお花見、花を使った料理など、朝鮮の植物にまつわる豆知識を集めました。
朝鮮全域の植物に出会えるスポット!
平壌の中央植物園を訪ねて
新緑の季節を迎えた5月中旬、高句麗時代の遺跡が多く残る大城山の麓に
位置する中央植物園を訪ねた。朝鮮民主主義人民共和国全域のあらゆる植物を
一度に楽しめる同園は、癒しあり、学びありのオススメスポットだ。
1世の楽しみ、今も
サンナムルを採りに
日々、家事や仕事に追いやられるなかでも在日朝鮮人1世たちは山や野原、川辺にサンナムルを採りに出かけた。それは生活の糧をえるためでもあったが、そこに故郷を探していたのではないか―。
植物の宝庫 済州島に咲く花と木たち
玄正善●「ウリ植物名の由来」著者
済州島済州郡朝天面に生まれ育った。故郷に育つ植物といえば、農業を営んでいたアボジの畑で目にした草や木を思い出す。済州島の名物は冬柏の花やみかんの木だが、村の人が冬柏の花びらを袋に詰め、テコの原理で油を絞っていたことも覚えている。海辺に行けば椰子の実が流れてきたし、トンナムの臭いも思い出だ。