悲願の「全国大会」初出場 東京朝高ラグビー部、 創部40年目の快挙
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文:李東浩、写真:盧琴順(朝鮮新報)
「第95回全国高等学校ラグビーフットボール大会」の東京都予選・第2地区決勝戦が11月8日、東京の秩父宮ラグビー場で行われ、東京朝鮮中高級学校が明治大学中野付属高等学校と対決。29-10で相手を下し、悲願の「全国大会」出場を決めた。1975年の創部以来初となる。
5回目の挑戦となる都大会決勝の相手は明治大学付属中野高校。東京朝高が準優勝した都春季大会準決勝(5月17日)では27―20で競り勝った相手だが、選手たちの気持ちにおごりはなかった。
前日の練習ではフォワードの消耗戦を予想しつつ、気を引き締めて挑むことに重きが置かれた。「初の全国へ」―。その一心で臨んだ決勝戦。
前半戦、東京朝高は終始落ち着いたプレーを見せた。まずは前半5分に主将・文陽善選手(高3)が先制のトライ。その後のゴールキックも決め7―0とリード。続いて28分、相手側ゴール付近で文相太(高3)選手がパワーで押し出してのトライ。またゴールキックが決まり、14―0と差を広げたまま前半を折り返した。
後半開始早々、東京朝高は得点のチャンスを逃さなかった。2分、重戦車のようなパワー押しで明大中野側のゴールめがけて一直線。文相太選手が再度トライを決め、19―0と差を広げた。しかし明大中野も意地を見せる。6分、15分にトライを奪い、得点は19―10に。東京朝高サイドに緊張が走った。
そんな流れが変わったのは後半18分。南成冠選手(高2)が前線で相手選手のキックを思い切り伸ばした両手でチャージして奪い、そのまま独走してトライを決めたのだ。「何メートル走ったかよく覚えていない。自分でも信じられなかった」(南選手)。このプレーにより24―10に。ゴールキックが決まると試合の流れは一気に東京朝高に傾いた。後半終了間際の29分、金基英選手(高3)がペナルティーキックを決め29―10。そのまま試合終了となった。