40年目の「花園」 東京朝高ラグビー部を支える人々
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第95回全国高等学校ラグビーフットボール大会に初出場を果たした東京朝鮮中高級学校ラグビー部。創部から40年、全国大会への門戸が開かれてから21年、悲願成就の影にはOBや保護者らさまざまな人々の後押しがあった。「花園」初出場までの道のりを、チームを支える人々の姿からたどった。
実を結んだ中高一貫の育成
2015年11月8日、秩父宮ラグビー場で行われた東京都予選決勝。東京朝高対明大中野の一戦は降りしきる雨の中、29―10で東京朝高リードのまま「花園」行きを告げるノーサイドの笛が鳴った。
喜びを爆発させる選手たち。抱き合いながら涙を流す客席のOBや保護者たち。歓喜のうずの中、功労者たちが次々と宙に舞う。真っ先に胴上げされたのは、第5代監督として1990年から2008年まで部を率いた申鉉秀さん(50)。行政書士として事務所を構えながら、監督を退いた今も時間を見つけては中級部・高級部両方のコーチを務めている。長年、同校ラグビー部のために身を捧げてきた申さんに対する粋な計らいだった。