制裁の名の下に-奪われる自由と権利
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従来のものからさらなる強化・拡大へと踏み出した日本独自の対朝鮮制裁に各方面から憂慮の声が上がっている。制裁の強化と軌を一にして、地方自治体の朝鮮学校に対する補助金の減額、不支給の動きも顕在化している。在日朝鮮人の暮らしに暗い影が忍び寄り、たたかいによって勝ち取ってきた権利がいま足元から浸食されようとしている。
「かごの中の鳥」
「引き続き再入国許可を与えておくことが適当でないと認められます」
制裁が発表された2月10日付で、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議の代議員資格を持つ人々や総聯の副議長らに、法務省から上記の一文を理由とした「再入国許可取消通知書」が届いた。本誌が入手した通知書の差出人は東京入国管理局長。備考として、「この通知を受け次第速やかに旅券又は再入国許可書を携行して東京入国管理局に出頭してください」の一文が記されてある。
今回の「独自制裁」は在日朝鮮人の渡航の自由を従来より大幅に制約する内容となっている。明らかになった一連の措置の中では、「在日北朝鮮当局職員及び当該職員が行う当局職員としての活動を補佐する立場にある者の北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止」の対象者を、「従来より拡大」という新たな一節が加えられたのが目を引く。