“人間としての心を問いたい” ―政府が自治体へ、朝鮮学校の補助金停止を促す通知
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「3・29文科省通知の撤回を求めるオモニ達の緊急集会」文部科学省は3月29日、「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について」と題した通知を出した。各地方自治体の判断に委ねられている補助金の支給に対し、政治・外交問題を理由に「留意」を促すという前代未聞の通知に、各地から非難の声が相次いでいる。
通知は、朝鮮学校が設置されている自治体(北海道と1都2府24県)に対して、馳浩文部科学大臣の名義で出された。朝鮮学校と総聯、朝鮮民主主義人民共和国の関係性を指摘しながら、「補助金の公益性、教育振興上の効果」に関する検討と「補助金の趣旨・目的に沿った適正かつ透明性のある執行」を求めるという内容だ。
これを受けて、翌30日、全国朝鮮学園理事長、全国朝鮮高級学校校長会、朝鮮学校全国オモニ会連絡会代表たちと東京朝鮮中高級学校の生徒2人が文科省で記者会見を行い、談話を発表。朝鮮学校が外交・安保問題と何ら関係がないにもかかわらず、朝鮮や総聯との関係を理由にわざわざ各地方自治体への「留意」を促す異例の通知を出したことに対して、「極めて政治的で差別的な措置」、高校無償化制度からの除外に続く「前代未聞の差別的行為」だと抗議し、撤回を求めた。
会見した同校の女子生徒は、「私たちの当たり前の高校生活をすべて否定された気持ちだ。…朝鮮学校への進学を経済的理由によってあきらめる友人たちがいる。人数の少ない中で運営する地方の学校にとって、補助金停止が及ぼす影響がどんなに大きいか。今回の通知は朝鮮学校を閉鎖しろと言っているのと同じ。私は、政府に、人間としての心を問いたい。これ以上この社会の差別を助長させないでほしい」と話した。
オモニたちが緊急集会
4月8日には、「3・29文科省通知の撤回を求めるオモニ達の緊急集会」(主催:朝鮮学校全国オモニ会連絡会)が参議院議員会館で行われ、関東地方のオモニたちをはじめとする同胞、日本人支援者など約110人が集まった。・・・
名古屋・1万3200筆の署名集まる
3月4日、愛知県名古屋市の河村たかし市長は、市内にある名古屋朝鮮初級学校への「名古屋市外国人学校設備備品等整備費補助金」および「名古屋市外国人学校教員研修費補助金」(以下、合わせて「補助金」)の全額または一部を2016年度は支給停止にすると表明した。・・・