保育園、入れますか?-深刻化する待機児童問題
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保育園に入りたくても入れずに順番待ちをしている、いわゆる「待機児童」が大きな社会問題となっている。民族、国籍を問わず、学齢前の子を育てる親たちにとっては深刻な悩みだ。
全体の8割が低年齢層、大都市圏に集中
待機児童は決して新しい問題ではなく、共働き世帯の増加などを背景に1990年代から顕在化していた。今回あらためてクローズアップされるようになったのは、ある匿名のブログ記事がきっかけだった。「保育園落ちた、日本死ね!」―認可保育所の入所審査に落ちた母親の心の叫びがつづられたブログは、同じ悩みを抱える多くの人々の共感を呼んで拡散。国会でも取り上げられ、改善を求める声が高まった。
厚生労働省のまとめによると、2015年4月時点の待機児童数は日本全国で2万3167人。7年連続で2万人を超えた(34ページのグラフ参照)。0~2歳児が全体の約8割を占めており、大都市圏(東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪など)に集中している。なかでも東京は深刻だ。1位の世田谷区(1182人)を筆頭に、板橋区、府中市、江戸川区、足立区など市区町村の待機児童数ランキング上位20位のうち9つを占めている。