伝統を引継ぎ発展! ウリマル・ウリノレが行き交う民族教育/おいでよウリハッキョvol.11 西神戸朝鮮初級学校
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西神戸朝鮮初級学校の児童・園児たちはパワフルで笑顔が絶えず、時に真剣に目の前のことに取り組んでいる。そんな子どもたちの学校を守りたいという「4.24の精神」が色濃く残るこの地では、教員や地域同胞の思いも熱い。校舎の改修工事を行った今年、地域全体が今一度学校への関心を寄せている。
歴史:1945年9月、西神戸地域に国語講習所開設。11月18日、学校創立。46年4月、「兵庫朝聯学院」となり真野小学校の教室借用、6月に神楽小学校移転。47年「西神戸朝鮮初等学校」に改称。48年「4.24教育闘争」、12月に学校設置認可取得(財団法人)。49年、木造新校舎が落成し「西神戸朝鮮小学校」に。10月19日、第2次「学校閉鎖令」に反対し学校固守。50年、長田・垂水分校を本校に統合。56年「西神戸朝鮮初級学校」に改称。59年に付属幼稚班併設。同年に各種学校、63年に学校法人認可。66年に中級部を併設し「西神戸朝鮮初中級学校」に。6月に鉄筋新校舎落成(現在の校舎)。95年1月17日の阪神淡路大震災発生時に避難所となる。99年、中級部が神戸朝鮮初中級学校に統合され、「西神戸朝鮮初級学校」となる。
データ:李実校長/園児・児童:77人/学区:兵庫県神戸市長田区、須磨区、垂水区、兵庫区
〒653-0024 神戸市長田区浜添通1-2-6
Tel:078-671-1963
△低学年のタンチャットンネ♪
低学年の時間割には、週に2回、「단짝동네(タンチャットンネ)」という時間がある。流暢なウリマル(朝鮮語)や民謡などに親しむための時間だ。保護者の協力も得ながら、食事の時や寝る前など、一日を通した「ウリインサ(朝鮮語でのあいさつ)運動」も実施。民族に関わる記念日の活動にも力を入れる。
同校では、授業中はもちろん、日常でもウリマルなどを楽しむことで幼い頃から「民族」を感じ、自分の軸として捉えられるようにとさまざまな工夫を凝らしてきた。それが学校内に定着している。いたるところにウリマルの会話を勉強する壁紙や歌の歌詞が貼られ、ウリマルの歌声があちこちから聞こえてくる。
△対談
ハッキョと地域、 新たなビジョン
康義平さん(79、右)×金錫東さん(52)
学校創立72年を迎える西神戸朝鮮初級学校では今年、校舎を耐震補強・改修工事し、一階にはNPO法人コリアン生活センター「イオ神戸」が移設された。
地域の歴史を知る康義平さんと、工事一連を中心で進めた金錫東さんに、地域の財産であるハッキョ(学校)に託された思いや今後について話してもらった。
プロフィール:
かん・うぃぴょん●1938年、神戸市長田区生まれ。60年に朝鮮大学校教員養成所(当時)で短期講習を受け教員となった後、西神戸支部青年活動家などを経て、同支部委員長に就任(92年~2004年)。現在、同支部顧問。
きむ・そっとん●1965年、神戸市長田区生まれ。西神戸朝鮮初中級学校(当時)、神戸朝鮮高級学校、朝鮮大学校理学部(当時)卒業。西神戸朝鮮初級学校教育会会長などを歴任し、現在、西神戸地域商工会理事長、西神戸初級教育会常任相談役。