手話で出会い、広がる世界 ~同胞とろう者の交流から
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在日同胞を対象に手話教室が開かれている。
主催は同胞障がい者音楽サークル「Tutti」。2017年6月から18年4月にかけて全11回。
在日同胞とろう者の交流からさまざまな可能性を見据える、新たな取り組みの場に足を運んだ。
2017年10月29日、5回目の手話教室が東京朝鮮中高級学校で行われていた。
「雨の中お疲れ様です。お久しぶりですね」。手話であいさつしたのは講師のチームリーダー、松尾一弘さん(61)。大学、専門学校、小学校、高校などで手話を教える手話指導のスペシャリストだ。
数少ない同胞の手話通訳士である朴貞秀さんにフォローしてもらいながら、受講生も習った手話を駆使してあいさつを返す。手の動きだけでなく、動きの大きさや速度、顔の表情などが合わさって生まれる「手話」表現。受講生たちは講師の動きをじっくりと観察し想像力を働かせていた。
この日習った表現は「趣味は~」「好きな食べ物は~」など。その他にも新しい単語が次々と出てきて発見の連続だ。表現が地域や世代で少しずつ違うなど、知れば知るほど奥深い。受講生はみな子どもに戻ったかのように夢中だ。・・・