【特別企画】愛知無償化裁判 偏見にまみれた判決
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●「勝つまでは負けるんだ」―必ず勝訴判決を
一審敗訴、ただちに控訴審へ
高校無償化制度から不当に排除されたことにより学習権、平等権、人格権を侵害されたとして、愛知朝鮮中高級学校の高級部生徒・卒業生らが2013年1月24日に起こした国家賠償請求裁判(愛知無償化裁判)。4月27日の一審判決言い渡しには、日本各地から約500人の同胞・日本市民が駆けつけた。…
●「自身の偏見乗り越えられなかった」
愛知無償化裁判一審判決の問題点
提訴から5年。弁護団はこれまで、日本社会に蔓延する「北朝鮮嫌悪」感情について、在日朝鮮人と朝鮮学校の歴史、取り巻く環境や背景を紐解きながら丁寧に伝えてきた。また、原告たちは自分の口で、何度も差別をやめてほしいと訴えてきた。しかし判決の内容は、国による差別を司法がさらに上塗りするもの。裁判官らは、自身の中にある根深い偏見をついに乗り越えることができなかった。…
●官製ヘイト、許されぬ 朝高対象、省内の共通認識だった
インタビュー 前川喜平・元文部科学事務次官(新連載 無償化差別を考える①)
「すべての人に学びを」とうたい、2010年から始まった就学支援金制度だったが、排除された朝鮮学校側は救済の道を絶たれ、提訴に追い込まれた。司法でも行政の差別を追認する敗訴判決が続くなか、高校無償化制度からの朝鮮学校排除を識者とともに、いま一度考える。初回は九州、大阪、愛知、東京の裁判で陳述書を提出した前川喜平・元文部科学事務次官に話を聞いた。