vol18.人間の尊厳を護る法を
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「暴力悪いんは分かってる。でもうちのムラでならみたいなんが起きたら、懲役行く覚悟だけはしといてくれ」。ヘイトデモに退治する度に私は、3年前に死去したある部落解放運動のリーダーがごく近しい仲間にだけ告げたこの一言を想起する。「奈良」とは、京都、徳島事件で有罪となったレイシストが2011年、水平社博物館(奈良市)の企画展での「慰安婦問題」表象に抗議するとして、部落にある同館で、警察に護られながら一時間に渡り、「ドエッタ、出てこい!」「非人!」などと叫び、その動画を公開した差別事件を指す。
このリーダーは、解放運動を通じてヤクザから足を洗った人物だ…。(続きは「月刊イオ」2019年6月号に掲載)
写真:中山和弘