在留資格:更新手続き、「みなし再入国許可」に注意を
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在日同胞が直面する生活上のさまざまな問題の解決法について、人生のステージごとにわかりやすく解説します。
文時弘 ●在日本朝鮮人人権協会
在留資格
Q1:ユンさんの友人の長女が今年4月から高校生になったそうです。そろそろ「特別永住者証明書」の更新の時期ですが、大丈夫でしょうか。
A:2012年の改正入管法施行と同時に外国人登録法が廃止されたことにともない、それまでの「外国人登録証明書」は「特別永住者証明書」(特別永住者以外は「在留カード」)に変更されました。
これらの有効期間の最初の更新は、「16歳の誕生日当日までの6ヵ月(次回以降は有効期間満了日の2ヵ月前から満了日まで)」の間に行う必要があります。「特別永住者証明書」の更新手続きは住所のある市区町村役場で行いますが、「在留カード」は入管で更新手続きを行います。法規定上、16歳の更新時において誕生日当日より前に更新の申請をする場合、本人と同居する親族など代理人が手続きをする必要があります(本人申請不可)。不当なことですが、この更新義務違反には「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」という刑事罰が規定されています。なお、「特別永住者証明書」および永住者の「在留カード」の有効期間は7年です。
「特別永住者証明書」については、それまでの「常時携帯義務」がなくなり「提示義務」のみが課されるようになりました(「在留カード」は「常時携帯義務」あり)。普段から持ち歩く必要はなくなりましたが、証明書の提示を求められた場合、保管場所まで同行を求められる可能性もあります。求められた提示を故意に拒否する場合にも、更新義務違反同様の刑事罰が規定されています。
Q2:ユンさんの友人の息子さんの留学が決まりました。「みなし再入国許可」が便利と聞いたので、それを使って海外渡航しようと考えていますが、可能ですか?また、注意点はありますか?
A:2012年の改定入管法により、新たに「みなし再入国許可」制度が導入されました。この制度を利用すれば、海外渡航前に入国管理局で再入国許可を取る手続きが不要になります。利用には、出国時に「特別永住者証明書」(もしくは「在留カード」)と「有効な旅券」が必要になります。不当なことですが、日本政府は朝鮮旅券を「有効」と認めておらず、朝鮮旅券で「みなし再入国許可」は利用できません。
「みなし再入国許可」の有効期限は、特別永住者の場合は出国の日から2年(それ以外は1年)になります。事前に取得する再入国許可の有効期限は特別永住者の場合は6年(それ以外は5年)になり、出国先で1年に限り延長の手続きが可能ですが、「みなし再入国許可」は、いかなる理由があっても一切有効期限の延長はできません。
便利だからと「みなし再入国許可」で出国し、海外滞在中にうっかり有効期限をオーバーしてしまい特別永住資格を喪失するという大変なケースも出てきています。長期の海外渡航の場合は、事前に再入国許可を取得しておくことをおすすめします。
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