【特集】朝鮮学校、みえてますか?
広告
4、5世の時代、親たちはどんな思いで朝鮮学校にわが子を通わせているのでしょうか? 民族教育の現場で、子どもたちは、何を感じているのでしょうか? 卒業生たちは? 各学校の実践、保護者、現役生徒たちの意見を集め、朝鮮学校の存在価値、ウリハッキョのこれから、を考えました。学びあう、育ちあう、学校を目指して―。
対談 「朝鮮学校、“どう”見えていますか?」
神奈川朝鮮中高級学校
金燦旭さん(同校校長)×朴慶七さん(同校保護者)
神奈川では、2016年に民族教育実施70周年、神奈川中高創立65周年を迎えるにあたり、民族教育の未来を見据えた新たな施策である「ウリミレプロジェクト」を始動した。さまざまな実践を通して見えてきたものは? プロジェクトの企画・推進に尽力した二人に聞く。
保護者のニーズを調査
―ウリミレプロジェクトとは?
金燦旭校長(以下、金):まず大きな話からすると、21世紀に入って大学受験資格の認定、高体連への加盟など、朝鮮学校をとりまく環境が大きく変わりましたよね。卒業生たちも同胞社会の中だけでなく、外の世界で幅広く活躍するようになった。それに伴って同胞、特に子を持つ保護者たちの意識も大きく変わってきた。否が応にも民族教育のニーズが問われる時代がきていると思いました。
朴慶七さん(以下、朴):自分も同校に子どもを二人通わせていますが、保護者の立場になると「不安」という気持ちは分かります。統計を出したわけではないけれど、朝鮮学校を出たら日本の学校に比べて就職が難しいという意識が、やっぱり保護者たちにはあるのではないでしょうか。
金:そのように、まずは保護者たちのニーズをしっかり把握しようと考え、県下すべての朝鮮学校保護者のほか、卒業生などを対象にアンケートを実施しました(左ページ図1)。結果、やはり「朝鮮学校に入れるのはいいことだと思うが、将来、実際にどういうところで働けるのか」といった出口の部分への不安が多かった。その他の意見も参考にしながら、いま民族教育に求められているニーズを、▼確かな学力と向学心の育成、▼充実した進路支援、▼多様な能力の習得―の3つに絞りました。民族心を育てるのは大前提としつつ、同時にこれからのニーズに応えるため、さまざまな教育内容や課外活動について検討しました。ビジネススクールや夢プロジェクト、進路アドバイザーなど、たくさんのアイデアが集められました。…
以降は特集記事の抜粋になります。全文ご覧になるには本誌をご覧ください。購読お申し込みはこちらへ。
우리말、どう学ぶ? 東京第3初級
1世が年々減っている同胞社会の変化の中でも、朝鮮学校は「朝鮮語による言語空間」を70年以上も維持してきた。では、育ちゆく4世、5世の子どもたちは、どのように朝鮮語を学んでいるのだろうか? 東京朝鮮第3初級学校を訪れた。
①聞くこと、楽しむことから
②語学学校ではない。ルーツを受け止める場所
③歌やゲーム、作文コンも
④電子教科書が登場!
全文ご覧になるには本誌をご覧ください。購読お申し込みはこちらへ。
朝鮮、日本、世界を学ぶ 社会科教育のいま
朝鮮学校で朝鮮語と並ぶ主要な民族科目(民族性を育てる科目)といえば朝鮮歴史、地理、社会などの社会科目を挙げられる。いくつかの学校を訪れ、社会科教育の実践を取材した。
①何を学ぶの? 教科書から見る教育内容
②多様な背景、視点への想像を 授業の現場から
③争点把握能力、論理的思考力養う
育てる、新しい時代を生きる力
近年、時代のニーズに即した人材を育てることを目的に教育内容の拡充に取り組む朝鮮学校が増えている。茨城朝鮮初中高級学校(茨城県水戸市)で18年度から新たに創設されたビジネス系コース、埼玉朝鮮初中級学校(埼玉県さいたま市)の「性の多様性について」を学ぶ人権授業など、各地の取り組みを紹介する。
全文ご覧になるには本誌をご覧ください。購読お申し込みはこちらへ。
朝鮮学校がそこにある意味 卒業生、高校生に聞いてみた
日本政府によって「違い」が強調され、それゆえに直接的な不利益を被ることで、朝鮮学校を取り巻く同胞たちの価値基準は大きく揺るがされてきた。さまざまな意義づけや新たな価値づくりが試みられる一方で、違いや特色を当たり前のものとする言葉はどれだけ語られてきただろうか。「どうして朝鮮学校に通う/通ったのか」、そのシンプルな問いを同胞たちに投げてみた。…