vol23.心臓がつぶれるほどの痛みとともにー幼保無償化、勝つまでの闘いが始まった
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写真:中山和弘
在日朝鮮人3世、金香喜さん(1990年生)には、「原点」となる記憶がある。
2016年1月5日、朝鮮学校への補助金支給再開と高校無償化の適用を求めて続いている大阪の抗議運動、「火曜日行動」でのことだ。生後半年の長女を抱き、抗議ビラを配っていた彼女の前に、松井一郎知事(現大阪市長)が通りかかった。差し出したビラを無視して松井氏は通り過ぎていく。その背中に思わず、「この子に民族教育を受ける権利はないんですか!」と叫んだ彼女に彼は、「ない」と吐き捨て立ち去ったという…。(続きは月刊イオ2019年11月号に掲載)
なかむら・いるそん●1969年、大阪府生まれ。立命館大学卒業。1995年毎日新聞社に入社。現在フリー。著書に「声を刻む 在日無年金訴訟をめぐる人々」(インパクト出版会)、「ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件――〈ヘイトクライム〉に抗して」(岩波書店)、「ルポ思想としての朝鮮籍」(岩波書店)などがある。『ヒューマンライツ』(部落解放・人権研究所)の「映画を通して考える『もう一つの世界』」を連載中。