vol.25 “生きるに値する社会”を描きながら/フジ住宅訴訟をたたかう
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私、面倒くさがりやけど、これは譲れへん。黙ってたらもっと酷くなる。子どもにこんな思いをさせたくない」。時に裏返る声で、女性は語った。
大阪生まれの在日韓国人三世。結婚を機に仕事を辞めたが、2002年、大手不動産会社「フジ住宅」(本社・岸和田市)にパートタイムとして入社した。顧客に「居場所」を提供する仕事に喜びを感じていたが、それは暗転していく。中條高徳(元日本会議代表委員)の日帝礼賛本を勧める文書が、会長名で回覧されたのだ。それはほどなく歴史改竄本のコピーや、韓国人や中国人を「嘘つき民族」などと罵るヘイト文書にエスカレートしていった…。(続きは月刊イオ2020年1月号に掲載)
写真:中山和弘
なかむら・いるそん●1969年、大阪府生まれ。立命館大学卒業。1995年毎日新聞社に入社。現在フリー。著書に「声を刻む 在日無年金訴訟をめぐる人々」(インパクト出版会)、「ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件――〈ヘイトクライム〉に抗して」(岩波書店)、「ルポ思想としての朝鮮籍」(岩波書店)などがある。『ヒューマンライツ』(部落解放・人権研究所)の「映画を通して考える『もう一つの世界』」を連載中。