【特集】“らしさ”を越えて ~ともに生きやすい社会へ
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“〇〇らしく”、“〇〇らしさ”という言葉はときに役割を固定化して私たちを縛ったり、身近な誰かに居心地の悪さを感じさせる価値観に変わってしまうことがあります。私たちが生きる「社会」は皆が生きやすい社会なのか―。いちど考えてみませんか。
座談会 〝私の居場所はここにある?〟
家庭や学校、職場で日常生活を送りながら、
目にしたこと、聞いたこと、あるいは体験したこと。
世代も背景も多様な同胞たちに、
“居場所”に関するさまざまなテーマを投げかけてみました。
●参加者
Aさん(20代女性) Bさん(20代男性)
Cさん(30代女性) Dさん(50代女性)
トークテーマ:根強い性役割、社会の規範…/そのカテゴライズ、必要ですか?/こぼれ落ちていく人たち/私たちにできることは
私の疑問、モヤモヤ、ストレス…
社会との関わりのなかで生じる人それぞれの疑問や違和感。身近なエピソードを交えて、三人の方に語ってもらいました。
⓵“女性が働きやすい社会”って?(女性、29歳)
⓶シングルにも居場所を!(男性、35歳)
⓷自分はいったい何人なのか(金優香、27歳)
だれいきフェスへようこそ! 性差別撤廃部会が初の試み
在日本朝鮮人人権協会の部会の一つである性差別撤廃部会が、初となる「だれいきフェス」を開催した(2019年10月20日)。アート、トーク、音楽など、アーティストと参加者たちが自由に交わり、楽しさを共有できる場となった。
エッセイ⓵「ひっそり暮らしたかった、あの日の私」梁淳喜
幼少期は大阪府東大阪市のいわゆる同胞密集地に住んでいた。学校と支部の近くで、祖父母、父母、きょうだいに叔父の8人家族で、家で分会のモイム(集い)があったり、人の出入りの多い家だった。通学班を組んでオッパ、オンニたちや、幼稚園かばんを下げた弟、妹たちと登校し、放課後も弟、妹を連れてトンム(友達)の家や公園で遊んだ。それが日常で、「普通」だった。
そんな私が結婚して初めて住んだ土地は、東京郊外の「同胞過疎地」だった。私はこのとき正直「ラッキー」と思った。…
エッセイ⓶「『跡取り息子』から解放されて」20代後半、男性
両親にとって、少し遅くにできた唯一の子どもだった私は厳しく育てられた。今となっては、いわゆる「共働き世代」が増加し、家事や育児に協力的な「イクメン」が話題を呼んでいるが、わが家はステレオタイプな「男は仕事、女は家庭」といった考え方が主流の家庭だった。
「女性だからご飯を作って、洗濯・掃除をして当たり前」「男性だから仕事に励んで、家族を養って当たり前」-。幼少期からよくアボジ(父)に「お前は1人息子なんだから、結婚して子どもを作って、金家(仮)を継いでいかなきゃならんぞ」と口すっぱく言われていた。…
「呪いの言葉」に縛られないために ~問題を開き、声を上げ、自分の人生を生きる
上西充子●法政大学教授
「呪いの言葉」とは、相手の思考の枠組みを縛り、相手を心理的な葛藤の中に押し込め、黙らせることを目的として発せられる言葉を指す。私は『呪いの言葉の解きかた』(晶文社、2019)で、労働をめぐる呪いの言葉、ジェンダーをめぐる呪いの言葉、政治をめぐる呪いの言葉を、時事問題から、また映画やドラマやコミックから取り上げて紹介し、その呪いの言葉に呪縛されて身動きできない状況に陥らないためにはどうすればよいかを考察した。…
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