特別企画「特別企画 一斉休校、ビジネス打撃… 新型コロナと同胞社会」
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新型コロナウイルスによる感染症が世界中で猛威を振るっている。日本でも日増しに感染が拡大。学校が休校となり、経済活動も大きな打撃を受けている。在日朝鮮人社会も未知のウイルスの脅威に直面している。
Reportage 臨時休校、揺れる教育現場
戸惑い、不安、見えぬ展望…
2月28日の日本政府による要請を受け、3月2日から日本全国の小・中・高校などが春休みまで臨時休校となった。これを受けて、各地の朝鮮学校でも一斉に同様の措置が取られた。一部地域では4月以降も休校が延長されている。突然の決定を受けて対応に追われる現場を訪ねた。
・保護者たちのニーズに応え/川崎朝鮮初級学校
・感染対策、徹底的に/伊丹朝鮮初級学校
・新校舎で卒業式も、規模縮小/東京朝鮮第3初級学校
“差別の種まいた”――マスク配布除外、学校関係者がさいたま市に謝罪と再発防止を強く要求
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、さいたま市が3月9日から市内の幼稚園、保育園の職員向けに備蓄マスクを配布したものの、同市に所在する埼玉朝鮮幼稚園は対象から漏れていたことが判明した。市職員の回答で事態を差別問題と認識した同胞、日本の有志たちは連日にわたって抗議と要請を重ね、さいたま市による謝罪と再発防止を強く求めた。
「気持ちわかる」関係どこへ
問題が発覚したのは3月10日。埼玉朝鮮幼稚園の朴洋子園長が備蓄マスクの配布について市へ問い合わせたところ、担当課である子どもみらい局の職員から「朝鮮幼稚園がさいたま市の指導監督施設に該当しないため、マスクが不適切に使用された場合、指導できない」との理由で配布はしないと回答を受けた。
翌11日、埼玉朝鮮学園の関係者、保護者ほか、在日本朝鮮人人権協会の金奉吉会長や同胞弁護士らがさいたま市役所を訪問。マスクを配布しないとの判断が「人権上、また人道上も到底看過できない許し難い行為」として、緊急の抗議行動を実施した。
翌日も引き続き同関係者、地域同胞ら30余人がさいたま市役所に駆けつけ、清水勇人・さいたま市長への要請文を伝達した後、当事者が次々と発言した。埼玉朝鮮幼稚園保護者連絡会の共同代表を務める尹致力さん(38)は「この問題をSNSで見て、すぐに課長さんの顔が浮かんだんですよ」と担当者の顔を見据えた。
「課長さんは前に幼保無償化の問題でも1時間くらいお話しして、私たちの気持ちも分かりますと言ってくれたじゃないですか。『そういえば朝鮮学校があったな』と、忘れていたとしても『この子たちにも感染のリスクがある』と何で思わないのかなって。やっぱりさいたま市は朝鮮学校のことを差別してるな、根底にはそれがあるなと思ったんですよ」と怒りを伝えた。…
飲食業中心に影響甚大/商工会、同胞事業者への支援に全力
商工連「新型コロナウイルス特設サイト」
https://soumu69.wixsite.com/corona
リーフレット「新型コロナウイルス感染症に関する支援制度」
※特設サイトで閲覧およびダウンロード可能
新型コロナウイルスによる感染症の拡大によって、同胞企業や同胞経営の店舗も被害を受けている。
在日本朝鮮商工連合会(商工連)が3月に21都道府県の同胞企業、店舗などを対象に実施した緊急調査の結果によると、飲食、宿泊、イベント関係などの顧客サービス業で売り上げの減少が著しい。ほかにも、建築業、製造業、カラオケ・麻雀・ヨガスタジオなどの店舗で売り上げが減少している。地域別でみると、感染者が多い都道府県で売り上げ減少の幅が大きい。
…
商工連では新型コロナウイルスによる感染症と関連した日本の行政による支援対策をまとめたリーフレットを作成、配布している(現在、第2弾まで作成)。3月25日には「新型コロナウイルス特設サイト」も開設した。特設サイトには、経済産業省、厚生労働省、金融庁、官邸対策本部など関係省庁の対策ページやQ&Aをまとめたリンク集、日本政策金融公庫の各種融資制度に関する情報などが掲載されている。行政の支援・補償対策をまとめた上記リーフレットもダウンロード可能だ。情報は随時更新されている。
また、商工連および各都道府県の商工会は新型コロナウイルス関連の相談窓口を設置、同胞事業者からの相談を受けつけている。同胞事業者からは、▼融資など資金調達に関するサポート、▼各種の助成金、補助金、休業補償の申請に関するサポート、▼銀行融資の返済緩和措置、▼日本政府の支援対策などについての迅速な情報提供、などの要望が寄せられているという。
活用しよう! 新型コロナウイルスに伴う公的助成
朴東浩 ●社会保険労務士/在日本朝鮮商工連合会商工部次長
小学校等の休校措置が取られたことで、お子さんの世話のため仕事を休んだ保護者の方も多いことでしょう。そこで、小学校休業等に対応するための施策として、2つの支援制度が新設されました。本稿では、それらについてお伝えします。
①事業者向け『新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金』
②フリーランス向け『新型コロナウイルス感染症の影響による小学校等対応支援金』
●問合せ先:学校等休業助成金・支援金、雇用調整助成金、個人向け緊急小口資金相談コールセンター
Tel:0120ー60ー3999
受付時間:9:00~21:00(土日・祝日含む)
●申請期限などその他詳細は厚生労働省のサイトよりご確認ください
朝鮮、新型コロナ感染予防体験記
文・写真:盧琴順(朝鮮新報平壌支局)
2月1日から国境を全面封鎖した朝鮮民主主義人民共和国。3月19日、筆者は特例で運航された「平壌―ウラジオストク」間の臨時便に乗り約半年ぶりに日本に戻ってきた。…
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