リオでの悔しさバネに、目指すは金/Vol.5 キム・ミレ
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Vol.5 水泳女子飛び込み キム・ミレ(19)
2001年4月7日、平壌生まれ。功勲体育人
過去の主な戦績
2017年第17回世界水泳選手権大会女子シンクロ10m:2位、ミックスシンクロ10m:3位
2018年第18回アジア競技大会女子シンクロ10m:2位、女子個人10m:3位
2019年FINAダイビングワールドシリーズ「カナダ大会」女子個人10m:1位、女子個人10m総合ランキング1位
2019年第8回アジアカップ女子個人10m:1位、ミックスシンクロ10m:2位
文:姜イルク(朝鮮新報)、写真:盧琴順(朝鮮新報)
キム・ミレはもともと学校で器械体操を習っていたが、指導教員が水泳の飛び込み種目のチェ・ソンヒ監督にキムを紹介し、11歳でこの競技を始めた。
「まず水泳の指導をしたが、泳げるまで1時間もかからなかった。また、水の中に飛び込むことをまったく怖がらなかった」とチェ監督は当時を振り返る。器械体操の動きが体に染みついていれば適応するのが難しいのにもかかわらず、飛び込みにすぐ適応したキムを見て、「しっかりと練習させれば、将来、五輪をはじめとする国際大会の金メダリストになれるという予感がした」という。種目の特性上、飛び込みには高度の集中力が要求され、慎重な選手の方が向いているという。「落ち着きがあり、性格も適性がある。練習好きで身体能力も高い」(チェ監督)。
2016年リオデジャネイロ五輪の女子シンクロ10mでメダル獲得が期待されていたキムだったが、最後にミスを犯してしまい、4位に終わる。キムの受けた精神的ショックは大きかった。チェ監督は当時のキムのようすを振り返って、「一つの小さなミスでもあってはならないということを嫌というほど思い知らされただろう」と話す。
その後、キムは17年の世界水泳選手権大会、18年のアジア競技大会など数多くの国際大会でメダルを獲得。日本で開かれた18年と19年のFINA(国際水泳連盟)ダイビングワールドシリーズでも表彰台に立った。そして19年のカナダ大会で国際大会初の金メダルを獲得すると、同年の女子個人10m総合ランキングでも1位に輝いた。同年9月の第8回アジアカップ女子個人10mでも金メダルを獲得し、東京五輪へのチケットを手にした。18年に訪日した際、「ダイビングを始めたときから、目標は世界選手権大会とオリンピックで金メダルを取ることただ一つ」と語っていたキム。
リオ五輪での悔しさをバネに、東京五輪の金メダルへ向けた階段を着実に上っている。