英雄チョン・ソンオクのように/Vol.8 男子マラソン リ・ガンボン
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Vol.8 男子マラソン リ・ガンボン(27)
1993年4月25日、黄海南道海州市生まれ
過去の主な戦績
2017年「共和国選手権大会」:1位
2018年第29回万景台賞国際マラソン競技大会:1位
2019年第30回万景台賞国際マラソン競技大会:1位
2019年第17回アジアマラソン選手権大会:2位
文:丁用根(朝鮮新報)、写真:盧琴順(朝鮮新報)
朝鮮マラソン界をけん引するリ・ガンボン(27、首陽山体育団)は2017年、国内レースである「共和国選手権大会」での優勝を機に頭角を現した。
幼いころからサッカー選手になることを夢見てピッチを駆け抜けていたリは海州市青少年体育学校(黄海南道)を卒業後、首陽山体育団に入団する。そこで、雨の日も雪の日もマラソンに心血を注ぐ選手たちの姿に強く心を打たれ、スパイクをマラソンシューズに履き替えた。
サッカーとは違い、マラソンは42.195㎞の長い道のりを一人で乗り越えなくてはいけない。「運動センスが飛びぬけているだけでなく、42.195㎞の険しいレースを最後まで戦い抜く走力と精神力に秀でており、トレーニングに臨む意欲がほかの選手よりも一段と強い。現在、朝鮮で一線級の選手であることに疑いの余地はない」。1999年にスペイン・セビリアで行われた世界陸上の女子マラソンで金メダルを獲得した朝鮮マラソン協会のチョン・ソンオク書記長(45、朝鮮民主主義人民共和国英雄、人民体育人)はリをこう評する。
リは2018年、国内外から多くの選手が集う万景台賞国際マラソン競技大会で国際大会初優勝を飾る。翌年も優勝し、同大会を連覇。昨年は、12月に行われた第17回アジアマラソン選手権大会(中国)で銀メダルを獲得。また、2時間11分19秒の自己ベスト記録を出すなど、リにとって成長と飛躍の1年となった。
2021年の東京五輪の出場権も獲得し、着実にステップアップを果たしているリが見すえるのは、自身が尊敬してやまないチョン書記長のように世界のトップランナーたちがしのぎを削る世界陸上やオリンピックなどの大舞台で金メダルを獲得し、朝鮮の名を世界にとどろかせることだ。「これからも妥協なくトレーニングに励み、必ずや国際舞台で金メダルを獲得して祖国の期待にこたえたい」。現在はレース後半の30㎞以降のペース維持を課題に設定し、日々汗を流している。