4世代が愛する、味に真面目な老舗店／お肉と粉モンだいにんぐ　すじ焼きのじゅん平（京都市右京区）

by R.CHE · 公開済み 2020年10月14日 · 更新済み 2020年10月23日

手前がオープン当時からの看板メニュー・すじ焼き。焼きそば、お好み焼きは甘めのソースで癖になるおいしさ

創業45年、「常にトンポと歩いてきた」と話すのは、いまも現役で店頭に立つ李正順さん（72）だ。お好みソースやマヨネーズ、タレ類すべて自家製のものを使い、他にはない「じゅん平の味」を守り続けてきた。４世代で通う常連さんがいるのも、地元で愛される老舗店ならでは。
かねてより実家を「お肉と粉モン」を楽しめるお店にしたいと思っていた息子の黄哲寿さん（44）は、まず自ら焼肉店を営み、肉料理のノウハウを独学で勉強して２０１９年から店に入った。店名も「順平」から「じゅん平」にリニューアルし、牛・豚・鶏・ラム肉など、肉料理を充実させた。
また、既存のお好み焼きにアレンジをきかせて新商品を開発したり、オープン当時から人気のメニューにキャッチコピーをつけて新鮮味を持たせるなど工夫を続けている。
熟成させた肉のジューシーさとオリジナルブレンドの塩味が癖になるすじ焼きは、「下町の極上ステーキ」と銘打つ自慢の看板メニュー。ご飯の上に特製タレをかけて目玉焼きをのせ、近江牛ホルモンを贅沢に盛った焼肉タレーライスは、人気ゆえランチの時間帯にも提供するように。
「『息子が入って味が落ちたな』と言われたら癪だから。味に真面目にならなあかん」（黄さん）
その真剣さが実って昨年は過去最高となる売上を更新。さらに新型コロナウイルス感染拡大後もお弁当の販売を開始し、客足を留めている。
もう一つの名物は、入口の横にかけられている“週替わり一言”。この日は「出会い、ふれ会い、笑い合う　心豊かな人生を！」の文字が。黄さんのアボジ・健次郎さん（76）が10年以上つづけているもので、常連さんだけでなく近隣住民や通行人にとっても、ちょっとした楽しみになっているのだとか。