【緊急連載】コロナ禍、どう働く(上)
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新型コロナウイルスの感染拡大は、いまだ収束の兆しを見せていない。「働く」を切り口に、コロナ禍が人びとの暮らしに与えた影響を探る緊急連載。(上)ではNPO法人POSSE事務局長の渡辺寛人さんに非正規労働者を取り巻く問題について、人材紹介会社アズール&カンパニー執行役員の文賢さんに最近の転職事情について、大学新卒者向けに朝高卒業生の就活経験談を紹介する活動に携わる李成一さん(ボーダレスハウス株式会社代表取締役)に大学生の就職活動についてそれぞれ聞いた。
“権利あきらめないで”
コロナ禍の非正規労働者
渡辺寛人さん●NPO法人POSSE事務局長、雑誌『POSSE』編集長
今年2月末から新型コロナウイルス関連の相談が寄せられ始め、3月に入って一気に増加しました。労働相談だけでも9月末までに3000件を超えています。POSSEへの年間相談件数は1500~2000件ほどなのですが、半年でこれを超えたのを見ても、労働市場への影響が深刻だったと分かります。
5月までに多かったのは休業補償がないという相談でした。労働基準法では、「使用者の責に帰すべき事由により休業した場合には休業手当として平均賃金の60%分以上を支払わなければならない」という定めがありますが、「コロナが原因で会社に責任はないから」という理由で休業手当が1円も支払われていないケースがたくさんありました。…
求められるセルフマネジメント
コロナ禍の転職事情
文賢さん●アズール&カンパニー執行役員
—新型コロナウイルス感染拡大を受けて、いま労働市場ではどのような変化が起きているのか。
ここ10年くらいは売り手(求職者)有利だったが、今は採用する企業の側が力を持っている状況だ。うちが担当している企業の求人は2月から減り始めて、3月、4月と一気に減った。9月に入って少し回復したが、例年に比べて6割くらいしか求人がない。ただ、2008年のリーマンショックの時は求人がほぼゼロだったが、その時に比べると思ったより減っていないという印象だ。コロナをめぐる状況は来年いっぱいまで大きくは変わらないのではないか。労働市場では企業側有利な状況はしばらく続くだろう。…
とにかく動いてみる
コロナ禍の就職活動
李成一さん●ボーダレスハウス株式会社代表取締役社長
2019年に立ちあがったルーツプロジェクトは、コリアンルーツの未来を育むキャリアセッションを手がけてきました。今、日本には、在日コリアンとして社会の第一線で活躍する人が多くいます。彼らに共通するのは、自分のルーツをリスペクトしながら活動していることです。社会のあり方が多様化するなかで、外国にルーツを持つパーソナリティは大きなアドバンテージとなります。自分のルーツを活かすキャリアアップを考えていくために、さまざまな業界でグローバルに活躍するゲストを招き、彼らの想いやさまざまな価値観に触れる場を設けてきました。…
全文をご覧になるには本誌11月号をご覧ください。