コシとスープが絶品、平壌冷麺を川崎で/平壌冷麺食道園(神奈川県川崎市)
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コリア食が豊かな川崎に新しい楽しみが生まれた。東京・蒲田駅の平壌冷麺食道園・川崎店が2020年9月、川崎市役所近くにオープン。蒲田本店店主・李致鎬さん(73)の下で修業を積んだ長女の李瑛慧さん(47)が店を構え話題を呼んでいる。
食道園の冷麺は、岩手県盛岡市で1世の青木輝人さんが故郷の咸興で食べていた冷麺を手掛かりに作りはじめた通称「盛岡冷麺」がはじまりで、致鎬さんが最初に店を構えたのは花巻市だった。
本場平壌冷麺はそば粉を使うが、盛岡冷麺はデンプン粉と小麦粉を練って作る。とにかく、冷麺をご賞味あれ。麺は注文を受けてから練り打つだけに、打ちたてのコシがあり、のどごしは格別。カクテギ、キュウリのナムルは、ほどよい味付けで麺との調和が絶妙だ。何よりの違いはスープだろう。牛骨とチャーシューの牛肉、鶏ガラで10時間をかけて煮込んだダシは、毎日鍋の隣で味を確かめながらの手のかけようで、最後まですすってしまう。ランチならピビンパセットがお勧め、夜はホルモンなど、焼きものやチヂムから始め、冷麺でしめるのが定番だ。
東北朝鮮初中高級学校(当時)を卒業後、オーストラリアにテニス留学をした後、仙台市のテニススクールでテニスを教えていた李さん。1年前に上京した後、お店と工場を行き来しながら、父が築き上げた店で修行を積んできた。
「父は、貧しさを乗りこえながら、日本で平壌冷麺の看板を掲げてきました。仕事中、一切泣き言を言わないその姿に、妥協せず、味を守りつづけることの厳しさを感じてきました。しっかりこの味を受け継ぎ、食道園の味を広めていきたい」と明るい笑顔で語る。テニスコーチを長く勤めてきたこともあり、朝鮮学校で教えたいという夢も抱いている。
桜本を中心に人気の焼肉屋が集まる川崎。食文化豊かなこの街に、花が添えられた。
Shop DATA
平壌冷麺食道園
〒210-0005
神奈川県川崎市川崎区東田町4-24 守田ビル 1F
TEL:044-211-6005
営業時間:
11:30~14:30(L.O.14:00)
18:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:火曜
メニュー
平壌冷麺860円、平壌冷麺大盛り1000円、平壌ビビン冷麺960円、ホルモン650円、ユッケジャン800円、豚三枚肉セット1180円、ニラチヂミ750円、ナムル500円、キムチ460円、生ビール450円
ランチ:平壌冷麺ビビンバセット1060円(税込)